畑の片隅で時を忘れる

うちのホテルの畑の片隅で2000年前の大賀蓮の花が咲く。
大賀ハスとは昭和26年に千葉県の検見川で大賀一郎博士が地下6メートルの地層から
3粒だけ発見された推定2000年前のものと思われる蓮の種のうちの1つが開花したもの。
博士の名前を取って「大賀蓮」と名づけられたそうだ。
そのハスの株分けされたものが、うちのホテルにある。
GMは実は重大な病気を抱えており、
その病気の回復願った、知り合いから頂いたというもの。
即入院と騒がれてもう1年以上経つというのに、
入院もせず飛び回っている所を見ると
回復の願いは空に届いたのかもしれない。

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ハスは朝咲いて、夕方にはその花を閉じてしまう。
それを数日繰り返して散っていく。
夕方に行ったせいか既に閉じてしまった
その大きなつぼみは桃みたいで、
明日また花開くであろうそのつぼみを前に1人ワクワク。
花びらは1分間に1cmずつ開き、
開く時に花びら同士が擦れるかすかな音がするそうだ。
2000年経ってやっと花開いたその超大器晩成な花はなんだか神秘的な感じがする。

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その大きな大きな葉は、
傘がわりに差して使えそうな長い茎に大きな葉っぱ。
ハスの木の下にこそっと入ってみて
空を見上げてみたら、
光に透けた緑が鮮やかですごくキレイだった。


制服で畑の片隅でしゃがんだり立ったりして
不審な行動をしていたのを不思議に思ったのか
気が付いたら、ハスの葉の下でしゃがんでいる私のすぐ後ろで
親子と思われるお客様が私を不思議そうに眺めていた。

しまった…夢中になってまた仕事中なのを忘れてた!
我に返って時計を見たら食事の休憩時間はとっくに終わっている。

大賀ハスのいわれをお客様に説明する私がいつもより早口で饒舌だったのは、
ハスも魅力を存分に語りたかったというよりは、
そんな自分を見られたのが恥ずかしかったからに他ならない。