私は沈まない

基本的にあまり電話は得意ではない。
みんなにはそう言うくせに、ある友人と電話をしていると
気が付けば2時間も3時間も過ぎている事がざらにある。

昨日もそんな感じ。
気が付けば帰ってから夕食を食べるのも忘れて3時間も電話をしていた。
社会人になってからそんな時間を過ごす事ってなかったような気がする。

仕事でのゴタゴタや会社の内部事情、
転職しようかどうしようか、崖っぷちの岐路に立たされている自分の事、
抱えすぎてパンク寸前になりどうにもならず、
会社で錯綜するいろいろな情報や出来事を頭の中で処理し切れなくなって、
多分イメージとしては頭がクラッカーみたいにパーンとはじけて耳から煙が出そうな感じ。
溜めないように気分転換をしようとドライブしたりどこかに出かけたりして
自分でリセットする努力をするのだが、ある一定以上溜め込むともうどうにもならない。
強火でぐらぐら煮詰めすぎて鍋に焦げ付いたシチューみたい。

悩みを話せる友人がいるというのはありがたいものだ。
相談に乗ってもらうというよりは、
私の迷いをずばっと断ち切るべく、ずばり言うわよ状態だったのだが。
多分私の中でどうすべきか答えは出ている。
だけど一歩踏み出す勇気が出ないのだ。
だめなものはだめ、いいものはいい、と
はっきり意見を言ってくれるその意見はとてもありがたい。

もっとも彼女も私も会話のキャッチボールではなくお互いがピッチングマシーン。
何か互いに喋っているが、ひどいときは会話が噛みあっていない事もある。
それでもいいんだ。
ごたいそうな意見はいらない。
ただ率直で客観的な意見が聞きたいだけ。
だから私も同じように彼女が崖っぷちの岐路に立たされた時には、
背中を押して付き落とすんだろうな。
まるで千尋の谷にわが子を付き落とすライオンの親みたいだ。

そして今日。
昨日さんざん悩んだ上でもらった進言通り、付き進む事にした。
私は沈没船と運命は共にしない。前に進まなきゃ。