二足目のわらじを初めて履いた日

土曜日は休み。休みだけど仕事。しかも初仕事だ。
派遣先は大型ホームセンター。
ある大手携帯会社のキャンペーンのお仕事。
数人のキャンペーンガールを監督し取りまとめるのが私に与えられたミッション。

だが根本的に、そして致命的にダメなところが1つだけある。
私はその新製品の携帯の事を全く分からない。
さんざん普段の仕事でホテルの敷地は商品だ、部屋タイプが分からずに部屋が売れるか、と
新人さんに説教している本人がこの有様。まったくお話にならない。
それでも受けた仕事は仕事。
一夜漬けでカタログを丸覚えして仕事にのぞむ。
だけど、不安は的中。実機をみても正直どれがどれだか。
こうなると接客は致命的。自分が分からない物を人には勧められない。
アシスタント、つまり半人前の立場なので、背伸びせずその場で自分が出来る事をしようと思った。

マイクでゲストを呼び込む。
用意されている風船をせっせと作って子供に配る。
風船やティッシュを配りながら大声でキャンペーンをやっているのを知らせて歩く。
こんなにお腹から声を出したのなんて久し振り。
あんまりしゃべりすぎでちょっと酸欠でふらふらになり
ナチュラルハイだかなんだかよく分からないがなんだか妙に楽しくなってきた。

いらっしゃいませ、いらっしゃいませ、どうぞこの機会をお見逃しなく。。。
店の通路でありえないほどの大声。
店内で着るウィンドブレーカーはまるでサウナスーツで気が付いたら全身汗だく。
化粧もよれて髪の毛も振り乱れてひどい有り様である。
でもなんかはまりそうだ。

はまるより何より、早く仕事を覚えなければ仕事とは呼べない。
久しぶりに手探りで何も分からず結果何も出来ない自分への自己嫌悪と
そしてまた心地よい疲労感で1日を終えた。
たかがアルバイト、されどアルバイト。
やるからにはこれじゃ駄目だ。早く仕事覚えなきゃ。