聞き込み調査

事件は現場でおきている。いまどき古くなった名台詞。
でもまさにその通り。
姉さん事件です、そういやホテルという昔やってたドラマでもそんな事言ってたっけ。

予約の仕事は1日事務所にこもったまま。
だから現場でどんな案内をして、どんな出来事があるのかほとんど知らない。
何度もいらっしゃるリピーターのお客様でも、顔を見た事がないと言う予約スタッフは多い。
ゲストとの係わり合いはまず予約が窓口になり始まる。
だけど、始まりだけでその後いらっしゃってからは実際どんな風にスタッフとゲストが関わり、
どんな身なりでどんな人なのか知るよしもない。

私の仕事はゲストとの再会のきっかけをつくり、
次にいらした時にゲストとスタッフの距離を縮める手がかりを作る仕事。
礼状を送り、現場で起きた出来事で次に繋がるものを残しておくこと。
だけど外に出ない私は現場で何が起きてるのかよく知らない。

だから従業員食堂や喫煙所でのスタッフのゲストについての話題や愚痴が貴重な情報源。
こんな事があってさ、こんな事をゲストに言われた、やっちゃいました・・・なんでもいい。
次に繋がりそうな事や、残しておいた方がよさそうなものは全て記録として残す。
さぼっているようで、結構大事な仕事。
多分誰も私が仕事で聞き込みをしているなんて思わないだろうけど。
前回絵葉書が欲しいと言い残して言ったゲストに、
次来た時、ご用意して置きましたって言われたら、きっと嬉しいだろうなぁ、と。
基本的に部屋に用意されるものは決まっているし、食事も同じように提供される。
だけど、出来る範囲でそのゲスト用にカスタマイズされた部屋や食事を提供出来たら、いいなぁって。

情報は多ければ多い程いい。
だが、それらの情報がきちんと必要な所に伝達され、
必要なタイミングで利用されなければまったく意味がないのだけれど。