言葉のあやで180度変わること

最近ではインターネットから予約をしていらっしゃるお客様が増えたように思う。
その日いらっしゃるお客様の半数がインターネット予約なんて日もある。
ボタン1つで変更、予約登録と気軽に出来る分、
仮予約でいくつもの日にちを押さえたり、何度もキャンセルと予約を繰り返したりする方がいたり。

そんな手軽さゆえの間違い。

システム上はまったく違う日で予約されたお客様。
目の前にもう来ている。しかも確認書を持ってきた、と自信満々。
だがその確認書、様子がおかしい。
『下記の内容で変更する場合は、変更して登録するボタンを押してください』と書いてある。
つまり、変更内容を入力した画面をプリントして持参しただけで、
実際は登録ボタンを押し忘れたらしい。
ゆえにシステム上は別の日で予約されたまま・・・。

遠路はるばるお客様はやってきて疲れていらっしゃる。
疲れているのに加えて、部屋がないと言われて怒り出した。
ホテル側に怒られても困るが、どうにもならない。
どうにもならないがどうにかしなければ・・・。
部屋がなければ他のホテルを取らなきゃいけないが
グループで入っているお客様の部屋をなんとか工面出来そう。
希望の部屋タイプと違う。しかも食事の時間も希望の時間ではない。

システムに詳しいスタッフが事情を説明に先にお客様にお話していたのだが、
洗いざらいお話する流れを間違えるとお客様はお怒りになる。
嫌な予感がしてお客様の元に走っていったのだが、時すでに遅し・・・
お客様はプリプリ怒っている。
・・・あららら。

エステに興味を示していたとのことで、エステの予約を遅めに入れて、
併せて食事の時間も遅い時間になるように手配。
こうすれば遅い時間しか取れなかった事をお伝えせずに済む上に希望のエステも取れる。
あとは部屋の案内をご婦人に受けの良い男性スタッフがしてもらうよう手配し、
レストランでスペシャルケアしてもらう手配、
車は私が駐車場まで回して荷物は予め部屋へ。
とりあえず道筋は完璧。
お客様は最初ムスッとしていたが、徐々に表情がほぐれてきた。
よかったよかった。

私の接客が正しいかどうかは分からないし、
その人のスタイルがお客様によって合う、合わないというのは確かにあると思う。
だけど、正直に洗いざらい話すことが全てではない。
もちろん嘘を伝える訳じゃない。
ただ、言葉のアヤというように、話の進め方によっては結果が180度変わってしまう事だってある。
この人に対して、『希望の部屋で用意出来ません』というよりも、
『ご予約されたお部屋のタイプとは異なりますが、
非常に人気のあるお部屋タイプをご用意させて頂きました』と言った方が、
『食事が早めの時間が満席で遅い時間しか取れません』というよりも、
エステが終わった後でお部屋でお支度を整えられて
ゆっくりしていただいてからのお時間のお席でご用意させて頂きました』と言った方が
お客様の受け取り方はだいぶ違うはず。

最初の失敗は後から挽回出来る。

なんだか最近コンプレイン(苦情)の処理ばかりだ。