いろんな生きかた

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先日のお休みで、以前陶芸工房だった場所を
そのままカフェにした所に行ってきた。
場所は焼き物で有名な益子町
そこでのんびり遅いお昼をとっていたときのこと。
そこで働きたいと面接の約束をしていたと思われる1人の青年。
お店の隅でそこをきりもりしていらっしゃる女性と面接が始まった。
2人の会話がぽつりぽつりと耳に入ってきた中で印象に残った言葉。

ものを作るという仕事。
素材は木でも土でも皮でも鉄でも石でもなんでもいい。
木からはテーブルやいすが出来る。
土からは焼き物ができる。
皮からは鞄やアクセサリーが。鉄や石からはオブジェができる。
素材は異なっても、作る心は皆一緒。
目の前の素材から形をイメージして、悩み、想像しながらその人唯一のものが出来上がっていく。
そういう生き方が好きだ、と。

うちのホテルにはアロマトリートメントサロンがある。
都内の系列のサロンのスタッフの言葉。
手当てという言葉がある。
トリートメントもその言葉通り、自身の手を使ってゲストを癒すという職業だが、
お客様の体に直接自分の手で施術をすることで、
施術する自分も癒されていく。

いろんな職業がある。いろんな生き方がある。
そんな中でそれぞれが自分の進む道に誇りを持って、価値を見出していく。
なんだか感慨深い。

もてなすということをあれからよく考える私。
私には何が出来るんだろうか。
多分何も特別なことは必要ない。
ただ非日常のその空間にいらっしゃったそれぞれの方が、
いろんなものを発見したり、また心を空っぽにしたりして日常に帰っていく。
そして日常に帰ったふとした時に、その非日常の時間をふと思い出して、
ほっこりした気分になれたらそれでいいんだと思う。
だけど、それには具体的に何かを作ったり、また決まった何かをしたりする訳じゃない。
私が扱う仕事には形がない。
ゲストのために何かをしてあげなければ、というのはサービスする側のお仕着せでしかない。
何もしないことを望む人だっている。
ゲストが何がしかの思い出を作るお手伝いをするために最良の空間を提供する。
なんて難しいことなんだろう。

多分答えなんてない。
だからそれを追い求めて毎日仕事してるんだと思う。