場の空気

週末は連休で携帯売りのアルバイト。
場所は何ヶ月か前に一度入った事のある、本屋さん。
実はかつて私ではない他のスタッフが初めてそこでキャンペーンをやった日、
スタッフが店舗側の責任者に叱られなじられ大変な目に遭ったといういわく付きの場所だったりする。
前回は結局売上げ目標台数に満たなかった割には波乱もなく終わったのだが、
やはりそんな話を聞くとどうしても構えてしまう。というか恐い。
そして今回のキャンペーンは、責任者に叱られる事、数回。
だが目標台数を大幅に上回る売上げに助けられて、満面の笑みで終了。
ああよかった。肩の荷が下りた。

その恐ろしい責任者は、中年の女性なのだが、
まるで阿修羅面である。
今の今まで笑顔だったものが、何かをきっかけにして、
くるっと反対側にある般若みたいな顔に切り替わる。
いい人といえばいい人なのだが、切り替わる瞬間の見極めが難しい。
スタッフを叱るということは必要なことだ。
いつもニコニコしているだけでは駄目なのは百も承知だ。
だが、ゲストが目の前にいる状況で、頭ごなしにガミガミ言うのはいかがなものか。
もうしてしまったミスなので、後から呼んでガミガミ言っても同じ事だろうに。
起きたその場で叱り付けるのは犬のしつけだけで十分だ。
私の駄ミスのせいもあるので、何とも言えないが、
その場にいたガミガミおばさんを横で見ていたお客様が萎縮してしまったのは言うまでもない。

ホテルでも、何かの販売店や飲食店でも同じだと思うのだが、
スタッフ間の関係が悪かったり、常にピリピリしていたりすると
敏感にお客様はそれを感じ取るものだと思う。
人のマイナスの空気は伝染する。
なんとなく覇気のない職場は、なんとなくどんよりした空気が漂う。
ピリピリしていれば、その空気がその場全体に漂う。
その場の空気がゆったりしているのは、そこにいる人たちがゆったりしているから。
なんとなく楽しい気分になるのは、そこにいる人たちが楽しんでいるから。
お祭りに行くと訳もなくウキウキするのは、そこに集まる皆がそのお祭りを楽しんでいるからだと思う。
それと同じ事だ。

今回の実施を最後にアルバイトは辞めようと思う。
諸事情あってのことだが、勝手に有終の美、ということにしておこう。