全然なってない

お客様の言葉の受け取り方は様々だ。
だからいちいち気にしても仕方がない。
分かっているけどやっぱり気になる。
今日は午前中に受けた1本の電話の件で思い悩んだ1日だった。

チェックインの時間よりもだいぶ早い時間で
チェックインできるかと問い合わせのお客様からの電話。
部屋の清掃が終わり次第ご案内しているが、
その日の状況によってしまうので
時間の確約が出来るのはやはりチェックインの時間になってしまう、と
ゲストに丁重にお話した…つもりだった。
一通り説明した所でゲストが怒り出す。
お前の言い方が気に食わない、事務的で心がない、
ある外資系シティホテルの応対と比べて全然なってない、
そんな応対しか出来ないスタッフがいるのでは、ホテルの質が下がった。
とにかく出直して勉強しなおしてこい。
けちょんけちょん…散々である。

切れた電話の受話器を見つめて、自分の言葉を思い返したが非は思いつかない。
思いつかないが何かしゃくに障ったのだろう。
チェックインを希望した時間に対して
ふたつ返事の答えが返ってこなかった憤りを私に向けただけかもしれない。
また私の声のトーンやスピードなど総体的にみて、
自分が気付かないだけで何か駄目だったのかもしれない。

1日もんもんとして、帰り際にあんまりうなだれてしょんぼりする私に
一緒に一服していた同僚ののっぽの森の案内人(そんな肩書きのスタッフがいる)が
一生懸命慰めてくれたが、やっぱり自分の答えが見つからない。

いちいち気にしても仕方ない。
時間以外は入れないと通り一遍の説明をしたつもりもない。
ただ確約できないものは出来ない。
お断りをするその言葉運びはやはり難しい。
いろいろな人がいる。
だけど自分に非があったのかもしれない。
自己弁護と自己批判とがせめぎあう1日。

こんな日はこてっと寝て忘れてしまうに限る。
今日を戒めにしてまた頑張ろう。