現在、過去、未来

予約の仕事は未来のお客様を
フロントやレストランの仕事は現在のお客様を
顧客管理の仕事は、過去のお客様を扱う仕事だと思う。

ホテルの花形仕事といえばやはりフロントだろう。
私自身そう思っていたし、現在いるお客様と今まさに接するのが楽しかった。
一般的にはフロントやレストランが現場と位置付けられて、
予約や顧客管理はお客様がいらっしゃるまでの下準備と後片付けの
裏方みたいに思うかもしれない。
というか、実際去年の冬フロントから予約に異動になるまで
そう思っていたかもしれない。

だから、表舞台じゃなくなる事が左遷のように思い、
思い悩み、フロントが恋しく感じたんだと思う。

だけど、それは違う。
予約だって立派な表舞台だ。そこからお客様との繋がり全てが始まる。
予約が入るのを待っているだけではない。帰ったお客様の集計をするだけではない。
予約したいと思えるようなプランを作ったり、
また来たいと思えるようなアフターフォローをする。
決して裏方なんかじゃない。
本当の所、フロントマネージャーは細々口を出し、更にたまに突拍子もない事をして
使いづらい私を都合良く左遷したのかもしれないけれど
むしろ私にとっても都合よかったのかもしれない。
予約や顧客管理の仕事に就いてみて、ホテルの仕事がどういうもので
ただお客様と接客する事だけではなく、売上や利益をどうやってあげたらいいのか
そんな事を考えるいいきっかけになった。
フロントにいた1年前の私じゃない。ちゃんと365日と少し分の成長がある。

何かを自分で気が付くことというのは、
時間もかかるし教えた方が早いのかもしれない。
だけど、上司に言われた事を鵜呑みにして刷り込まれた事と
上司や周りを見て、自然と気が付き覚えた事とは多分ちょっとだけ違う。
後者は一生忘れないし、自分で納得して応用だって出来る。
考える力を与えてくれた環境に感謝。
動けるように部下を導いた上で
部下自身に気付かせる機会を与えてくれた上司に感謝。

なんだか最近、感謝感謝感謝である。
でも誰かに「ありがとう」と思う気持ちって大切だと思う。