プチ惨劇

久々に実家に帰って囲む両親との食卓。
メニューは母特製の手作りラーメン。
野菜がたっぷり入った醤油ベースのスープで結構美味しいうちの定番メニューだ。
そのラーメンを食べていた時の出来事。。。

うちの父はよくお酒を飲む。
ある程度飲んで「できあがった」所で食事をするのが常。
目の前に出てきたラーメンに美味しそう、とにっこりしながら
コショウを一振り…のはずがあろうことかキャップのネジをくるくる回して投入…。
コントばりにザバーと砂のようにコショウがスープの上へ。
いくら酔って手元が狂ったとはいえ結構プチ惨劇だ。

多分普通食べられる味ではないものだが、口に運ぶ。
コショウが喉でザラザラしてむせる父に、無理して食べなきゃいいのに、と言ったら
母が作ったもので美味しいからいいんだ、とゲホゲホむせながらスープ1滴残さずきれいに食べた。
どんぶりの底にはセメントみたいに固まったコショウ。
瓶はほとんど空っぽ。
コショウ一瓶入りのラーメン。結構辛かったねと苦笑いの父。
母思いのお茶目な父はどうも憎めない。
多分私のそそっかしい所はこの人に似たんだ。なんとなくそう思いながら実家を後にした。

帰り際に、そういえば、前付き合ってた人とは別れちゃったの?
ずっと前に両親に会わせて2年も前に別れてしまったその人の事を聞かれて
ドキッとして曖昧な笑みで口篭もったら、
詮索するつもりは全くないので、自分の好きなように信じた道を生きなさいとにっこり。
普段プライベートな事には全く立ち入ろうとしない酔いどれ父さんがふと口にした一言。
多分ずっと気にしてたんだろう。
心配しながらも私に尊重してくれる親に感謝。