山の上から

筑波山に行ってきた。
先日行った時は淡い新緑に山桜だったのに、
今は鮮やかな緑の中で紫色の藤の花が満開だった。

うちから決して近くもないのだがここのところ頻繁に行っていて
何回通ったか分からないけれど、私の重い心や考えすぎてたまった頭の"オリ"を
山のてっぺんから放り投げてくるために行っているんだと思う。
走り屋さん対策なのか知らないけれど道のセンターラインにポールが立っていたり
段差が沢山あったりして非常に走りにくい道なのだが
上りきった場所の路肩の空き地に車を止めて、
がけっぷちにまるでジャンプ台にみたいに設置されてる
ベニヤ板と鉄パイプで出来た変な形の屋根の出来そこないみたいなのがあって
その突端まで進んで座り込み眼下に広がる田園だとか
豆粒みたいにちっちゃな行き交う車、
遠くに見える霞ヶ浦をぼんやり眺めて時間を過ごす。

多分それは展望台でもなんでもなくて
手すりもないしむしろ板が踏みぬけてしまいそうなギシギシする不安定なものなので
傍から見たら結構スリリングな光景かもしれないけれど
実はそこが最近見つけたお気に入りの場所だったりする。

ここのところ転職以外の面で
多分一生かかっても誰もが経験しないであろうような
青天の霹靂な出来事がたてつづけに起き、文字通りパンク状態なのだが、
とにかく今はそんな逆境に沈み込んでせっかくの休息を停滞で終わらせたくないので
これから始まる怒涛の前進のための充電に充てたいと思っていたりする。
物事を自分の中で納得して受け入れるというのは場合によっては非常に時間がかかる。
時間が解決するという言葉があるが
自分の心の中で処理をするには容量がある。
超えてしまったものについては、時間をかけてゆっくり消化していくしかない。

私はタンポポの花が好きだ。
あの花、根っこがゴボウみたいに深く地に根ざしそして太い。
除草剤をかけられても踏みつけられても
何事もなかったかのように毎年そこに黄色の花を咲かせ
綿帽子を飛ばして当たり一面気がつけば小さな花畑が出来たりする。
特別なものでもなんでもないどこにでもあるものだけれど、
そんな風にたくましくいたいなぁと常々思う。