慣れと適応

ホテルという仕事はお客様がいる以上24時間休む事なく動きつづけている。
だから、シフトもバラバラ。
セクションやシフトによって出勤時間も大きく異なる。
朝6時に出勤する人もいれば、夜9時に出勤する人も…。
おはようございます、と夜出勤する人がいる横ををすり抜けて
お疲れ様でしたとタイムカードを打刻する人もいる。
また勤務時間によっては、お疲れさまでした、と夜勤に挨拶して帰った数時間後に
おはようございます、と帰り間際の昨日お疲れさまと挨拶した夜勤とまた会ってしまう事だってある。
これが普通の会社と違う所。
私は新入社員で入社してからずっとホテル勤務なので
これが普通なのだが、一般企業の感覚からすればある意味異質なのかもしれない。

リゾート=田舎というせいもあって、通勤も車。
だから朝のラッシュも終電を気にした事もない。というか電車に乗る機会すらない。
よくこんないい環境で働けて羨ましいわ、とお客様に言われる。
非日常のお客様の視点からのご意見も、日常の私達から見れば、普通だったりする。
人間には慣れとか適応とかそんな機能があるからだ。
だけど、そのお客様は気がついていない。
この街にはスターバックスも便利な大型ショッピングモールないということに。
昔、ホテルのイベントで都内のイベント会社にゴスペル歌手を手配したことがあった。
打ち合わせの時にあるスタッフが
歌手が歌っている間、イベント会社の付き添いスタッフにどうするかと問うたら、
「その辺のスタバでお茶して待ってますから大丈夫です」
電話を切ってからみんなで大笑い。
ホテルから一番近いスターバックスはきっと車で2時間離れた街にしかないからだ。

便利な街で暮らしている人からすれば、きっと不便でたまらないんじゃないだろうか。
幸いそれにも慣れ、適応してしまったので大して不便も感じないけれど。