川を遡上するちびっこ

同僚の、『のっぽの森の案内人』と久し振りに会った。
たまたま休みだというその同僚に誘われて
いい天気、山にするか川にするか…。
夏の日差しのような抜けるような青空の下、川に行く事を選択。

河原と言っても車で20分も走ればもう川というよりは渓流。
岩がゴロゴロ、至るところに小さな滝。
水だって飲めるんじゃなかろうか。
実際飲んでみたが多分お腹を壊す様子もないのできっと飲めるに違いない。
多分イワナやヤマメも沢山すんでいるのだろうが、
残念ながら私は釣りをしたことがない。
とりあえず、川の近くまで車で乗り付けて、
河原でひとしきりよもやま話。

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で、遡上って何かといえば。
あまりに気持ちよさそうだったので
驚く程冷たいその水に足を浸してみた。
すぐに真っ赤になる程冷たい。
こんな冷たさ無理だ無理だと騒ぎながら
それでも向こう岸の滝まで行きたくなり、
ズボンを膝までまくって
ジャブジャブサンダルのまま突入。
さらに流木を杖代わりにして浅瀬を探しながら川上へ。
川上には落差があり滝のような場所もある。
そこに何があるかって。何がある訳じゃない。
ただ、なんとなく川をそのまま昇りたくなった。
まるで産卵でひたすら遡上する鮭の気分だ。

私は身長150センチ。
流木で水深を確認しながら進むが、
膝下からの浅瀬から胸のあたりまで深い部分まで様々。
バランス感覚のあまりよくない私。
杖がわりの流木を支点にしたり、四つんばいで進むものの、
足場の苔むした岩に足を滑らせて、滝壷の手前に
…落ちた。
当然腰から下はずぶぬれ。なんてこった。

ちなみに同僚は川に入らず岩をひょいひょい飛び越えてぐんぐん進み
まるで『オニさんこっちだ、手のなる方へ』状態。
そのまま構わずジャブジャブ進む私も私だが、
…オニか私は。
だが遡上も楽しかった。
たまにはこんなお金のかからない遊びもいい。
というより昨日も滝にいたような気がする。

ちなみに森の案内人に毒を盛られた。
レンゲツツジという花がある。
「葉をちぎって食べたらいいよ」と差し出された私。
そのまま口へ。あれ、渋い?苦い?青臭い?
…実はそれ毒があるんだよね
にやりとする同僚。

ツツジを漢字で書くと『躑躅
この難しい字は「てきちょく」と読む。
てきちょくの意味は『足踏みすること。』
放牧地で間違えてこのツツジを食べてしまった羊が
含まれる毒(神経毒だそうだ)で足をよろつかせた様子から
ツツジの漢字にこの字が当てられたとか当てられないとか。
口にした量はほんの少量で死ぬような量じゃないが、
だけどこの恨み忘れるもんか心に誓ったのは言うまでもない。

そんなこんなで過ぎる1日。
あっという間で非常に楽しかった。