異空間にワクワク

先日とある事情で相談しに警察にお邪魔した。
私は被害者で加害者じゃない。

でも事情を聞くために連れて行かれた部屋は
携帯も通じない窓もない机と椅子だけが置いてある殺風景な部屋。
まるで取調室だ。
事情を聞いてくれるのは女性の警察の方。
のりの利いたシャツを着て、ちょっと男まさりで気の強そうな感じ。
刑事ドラマに出てきそうな彼女だけれど、後姿を見たらシャツがペロッとズボンから出てた。
んーこれがドラマと違う所。

それから証拠になる写真を撮りに別の部屋へ連れて行かれた。
刑事課を通り過ぎたら、絵に描いたみたいな人相の悪い男性が数人と、
犯人のなだめ役に回りそうな年配の男性。
ベタベタのドラマを見ているみたいでなんだかちょっとテンションが上がる。
困って相談に来ていてそんな場合じゃないくせになんだかワクワクして不謹慎な私。

連れて行かれた小部屋は血液反応を調べる試験薬の箱があったりしてちょっとしたラボ。
記念撮影でもなんでもないけど鑑識のおじさんに写真をパチリと撮られる。
鑑識のおじさんに私の証拠写真を依頼している一緒に来てくれた若い男性は
人懐っこい笑みだけどどっか抜けてる新米警察官風。

どこまでベタなんだ。この世界。
異空間に迷い込んだことでワクワクしたのと、困っている事をきちんと相談したことで
実は問題はこれからで解決した訳でもなんでもないのに警察を出たらなんだか胸がすっとした。
どこまでも単純な私。