どんでん

メリークリスマス。

冬でオフシーズンだというのに、クリスマスということで観光客が多い。
この日がキリストの生誕の日だなんて大半の人は頭の片隅にもなくて
クリスマスが何となくカップルで過ごすイベントみたいになっているのは何だか不思議。

学生の頃にいじめに遭ったって話は先日書いたけど、
転校した先の学校で、毎日日記を書いて担任に提出する、という決め事があった。
何となくこのクリスマスになると思い出すのだけれど、
その転校した年の冬に、『このクリスマスというイベントに踊らされて
どれだけのカップルが体を合わせるのか、世の中みんな勘違いで全く嘆かわしい』
という内容の日記を書いて担任に心配され呼び出された記憶がある。
冷めている、というよりもかなり厭世的になっていたからそんな事考えたんだろうなぁと思うけれど
確かに中学生が突然そんな事書き始めたら誰だってちょっと待ておいおい、と思うだろう。
勘違いだと言い切る自分はどれだけ悟っているのかと当時の私に問うてやりたいと思ったりして
その頃の事を考えるとなんだかちょっと笑ってしまう。

そこまで冷めた考え方はさすがに今はないけれど、
プレゼントをあげなきゃいけない、レストランやホテルを予約しなきゃいけない、と
強迫観念に駆られるのはどうなんだろうなぁって今でも考えてしまう事もある。
過去にそんないわゆる日本のクリスマスらしい夜を過ごした事もなきにしもあらずだけれど
やっぱりどこかで違和感を感じている自分がいた。
別に自分たちにとってこの日が記念日でも何でもないのになぁ、と。
それなら2人の小さな記念日を作ってその日にお祝いした方が素敵なんじゃないのかなって。

明日になるとテレビの番組もCMも、そして街中が一気に正月を迎える和風の飾りつけに変わっていく。
ホテルで1日のうちに1つの宴会場で宴会を終え、
その後1時間や1時間半などのわずかな時間差で別の宴会が入っている時に
会場の片付けし、新たなセッティングをし直す事を『どんでん』と呼ぶのだけれど
まるで日本全体がその『どんでん』されているように思えてならない。

明日は『どんでん』されて年末色溢れる街になっていることだろう。