花屋さんを探して

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まもなく母の日である。
去年から恒例なのだが、
誕生日やこういう日に必ず花を贈るようにしている。
今年も2,3日前にメールで手配完了。
写真は去年贈ったアレンジメント。

手配するのはご夫婦でやっていらっしゃる小さなお店で
実は前職のとき、どなたかのウェディングで手配されたことのある花屋さんだ。
その装花がなんとなく母が好きそうな花材を使っていたのを
あるときふと思い出して頼んだのがきっかけ。
それから母の日、誕生日、お正月・・・何故かいつも頼む恒例行事になってしまった。
病院受診と年に一度の行きつけの美容室に行くために、実家にあわただしく帰省してたのだけれど、
この花は(多分薄々勘付いてるだろうけど)一応内緒にしている。
だから、母と顔を合わせたけど、この件は触れない。

花にメッセージカードを付けてもらうのに、
いつものように文章を代行して書いてもらうのではなく、
今回は写真にメッセージを付けることにした。
写真は実家に預けて今ではすっかり実家の子になりつつあるプレーリードッグの壊ちゃん。
とはいえ、その場の思いつきなので、思い立ったところから手配開始。
道沿いの写真屋さんに飛び込んで、携帯にあった壊ちゃんの画像をプリント。
隣のコンビニでサインペンを購入。車の中で短いメッセージを書き入れて・・・。
せっかく近くまで来ているのだから、直接花屋さんに持ち込む事にした。

でも花屋さんの場所は実は知らない。
携帯のナビウォークに住所を入力。
何となくこの辺かなぁ、という場所の駐車場に車を入れて歩き出したはいいけど・・・
意外に遠い場所に車を停めてしまったらしく、
裁判所や小さな祠、街の小さな病院、いろいろな建物の間をてくてく歩き続ける。
もともと歩く予定なんてなかったから足元はピンヒールのサンダル。
最初は景色を楽しみながらお散歩気分だったのだけれど
アスファルトをそんなサンダルでこつこつ歩くうちに靴づれ、マメがつぶれて流血。
とりあえず携帯の画面ではあと数百メートル。こうなったら意地。
痛い足をひきずりながらどうにか到着。

お店は古民家を移築して建てた素敵な建物だった。
初対面のご夫婦は、花を手配してある旨告げても名前を告げても怪訝そうな顔。
突然飛び込んできた小娘が満面の笑みで、『あの、花を手配してあって・・・』
なんて言ってもお前はどこの誰だ?!と。お二人ともそんな事言わなかったけど
なんか変なやつが来た、と顔にありありとそんな表情が溢れていた。
なんだかここまで勢いで来てしまったのがものすごく気まずくなってしまい
えーーっと・・・あの・・・もじもじ口ごもりながら
いつもメールでお願いしてた軽井沢の・・・と言った所でやっと繋がった。
怪訝そうな表情がすっと消え、やっと笑みがこぼれて
初めましてのご挨拶とともに写真を渡してミッション完了。

とにかくマメがつぶれた足が痛くて痛くて
壊ちゃんの写真に興味を持たれた奥さんに、
写真はプレーリードッグでそしてこの子は私の大事な家族(ケモノだけど)で
引っ越してから彼女を母にお願いしてある感謝の意味も込めてなんだなんてお話をするのも
素敵なお店の写真を撮らせてもらう余裕すらなく、
ただ本当に写真を渡すだけ渡して、さっさと帰ってきてしまった私。

皮がむけて真っ赤になって帰宅した私を見て母は何があったのかと驚いてたけれど、
まさか街の中を花屋の場所を探してさまよったあげくのことだなんて言えるはずもなく
久しぶりに買い物に出かけて歩きつかれたみたい、とごまかす私。

いい年して、何をしてるんだか。

野の花にこぐさ
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