1日中6時

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この時計、かれこれ15年程使っている。
当時なぜだか父と一緒に買い物に出かけたときにロフトで購入したのだが、
1万近くする時計なんてずいぶんその頃の私には高価な買い物だった。

長いこと入院していた病室でも時を刻んでいたし、
引っ越すたびにその部屋でやはり時を刻み続けていた。

今では、銀色の外枠と時計の丸いユニットを止めていたねじがどこかに行ってしまって、
時計のユニットがすっぽり外れてしまうし、さらに実はこの時計、短針が動かない。
朝から晩まで短針は6時を指したままで1時間分しか時を刻んでくれない。
この時計にとっては12時間分でなく、1周1時間分が全てである。

でもどうしても捨てられない。
時計自体に思いいれがあるのか、それらの私の周りで時を刻んだという
その膨大な時間を大切に思ってなのかよく分からないけど
もう何十周、何百周と時を刻み続けたこの時計には何故だか深い思い入れがある。
長針が動かなくなるその時まで、何となく時間の目安を知らせてもらおうと思う。
1日中6時だって別にいいんだ。