会話は全ての情報源

お客様との会話で利用出来そうなものを記録している。
チェックインのときに初めてこの土地に訪れた、という会話があれば、
アウト時別のスタッフでも、『初めてのこの土地でのご旅行はいかがでしたか?』と
リンクして話を広げられる。
スタッフは皆、ゲストと接する時、例えばチェックインでも食事でも、送迎でも何がしかの話をする。
ただの雑談だが、結構感想だったり要望だったり、そこには接客のヒントが沢山。
皆接客が終わった後で、もにょもにょ会話を思い出して情報を書き込む。
そして御帰りになったお客様の顧客情報にはそれらの膨大な情報が書き込まれて蓄積されていく。

それらの情報を元にリピーターは部屋の手配の物も全部変わっていく。
例えばとあるゲストはいつも冷蔵庫の備え付けの飲み物を全部出して
ご自身でお持ちの飲み物を持ち込んでいた。
だから、その方がいらっしゃるときには冷蔵庫は空にしておく。
また別のゲストは足元が冷えやすく冬場寒さが苦手だとおっしゃっているので
冬場は電気敷き毛布をセットしておく、などなど。
スタッフも皆若いし、発展途上でまだまだの部分は沢山だけれど、
それでも多分全国どこのホテルを見回してもここまで徹底してゲストの情報を収集して
カスタマイズしている所ってないように思う。

今日、とあるゲストのアウトを担当したスタッフが事前に購入して預かっていたお土産を渡し忘れた。
チェックアウトが終わって休憩から戻ったらまだその渡すべきお土産が残っている。
スタッフに確認したら、気づかず出発させてしまった、と。
ありゃ!(そんなまぬけなリアクションを取っている場合じゃない)
うかがった連絡先は自宅電話のみ。すぐに連絡も取れない・・・。
お支払いは既に済ませている。
とりあえずそのゲストの情報を洗いなおす。
『チェックアウト後に12時半から**にてランチ予約、すごく楽しみにしていた。タクシー手配済』
気づいたのは13時半。まだ出発してないはず、間に合う!

午後のフロント隊長が出勤しているので私は自由に動ける。
お土産を袋詰めして車で飛び出す私。
そのレストラン、この土地で多分最も有名なフレンチレストラン。
週末は予約で満席であることが多い。
車を止めて、中のスタッフさんに予約があるかを確認。あった!!!
それにしても民族服みたいな私の制服はそのレストランに漂う凛とした空気にまるで合わない。
こんな格好でお席にお邪魔しては他の方にもその方にも申し訳ないので、
スタッフの方にお土産を託して任務あっさり完了。

何をどうして役立つか分からない情報。
今日は会話から拾ってもらった情報に助けられた。