足あと巡り紀行 3度目の月とキャベツ
久しぶりの抜けるような青空。
四万温泉に行く途中、
以前その当時大好きだった映画のロケ地を訪ねた事があったのを
ふと思い出し再訪してみることにした。
四万温泉の近く、同じ町内の中学校跡の伊参スタジオ。
スタジオという名はあっても、
かつて中学校だった建物そのままなので
入り口は、かつての昇降口そのままの雰囲気である。
ここは月とキャベツ、という山崎まさよしが主演した映画の
撮影拠点になった場所だ。
今でも当時の台本や衣装が展示されていたりする。
多分ここに最初に来たのは1998年、
そして次に来たのは2000年。
7年ぶりに訪れたのに、ここは何も変わっていなかった。
そこで思いもかけないものを見つけた。
日本全国から来た人たちが
日付と名前を書いて貼り付けてあるもの、
その中に『2000.8.30 めりー』・・・これ、私だ。
当時、というかインターネットでHNを持った時から
ずっと私はめりーと名乗っていた。
ぬっこという今のHNはここ1,2年の事で、
私をずっと知っている人はぬっこよりも
めりーの方がしっくりくるのかもしれない。
それを見ても、自分が書いたと思えないぐらいすっかり忘れていた私は
7年前の自分に再会した気分ですごく嬉しかった。
そしてそこから15キロほど離れた
山奥のやはり撮影場所だった公民館。
過去に2度来ているというのに、道を全く覚えておらず
結局1時間峠道をさまよった。
ヒグラシの大合唱がBGM。
そこにいるのはトンボと小さな虫たちとヒグラシと私だけ。
山に囲まれた誰も居ないおんぼろの公民館だが、
私にとっては何だかとっても懐かしい場所。
このトンボ、ミヤマアカネ。
まもなくするとお尻がキレイに赤く染まる。
まだ未成熟な子らしい。
あまり普段見かけない珍しい子が止まってくれたと思って
自分で飛び立つまで、じっとしばらく休憩に付き合った。
仕事で分刻みで忙しく動いているせいもあるけれど
お休みのときは出来るだけ時間のことを考えないようにしている。
トンボの休憩に付き合う時間を過ごしていると考えてみると
何だか普段の時間の感覚が嘘みたいに思える。
入り口に記帳用のノートがあったのでなんとなく記帳。
またしばらくして来てこれをみて懐かしいと思うんだろうか。
それにしてももう10年以上前の映画だというのに、
今でも(私のように)訪れる人が多くいることにびっくり。