1通のメール

それにしても肌寒い1日。
浅間山は初冠雪を記録したそうだ。
異例の暑い9月が終わったかと思えばもうあっという間に冬支度。
今日は朝から夜までずっと10度にもならない気温のまま。
窓の外は深い霧で何も見えない。
お陰で家から一歩も外に出ずに1日が過ぎた。
休職の長い休みに入って早数日。
考えなければ今日が何日で何曜日なのかすっと頭に浮かばない。
それくらい何も考えない日々。
DVDを見て本を読んで眠くなったら昼寝して。
みんなに叱られそうだけど多分今の私にとって必要なことなんだと思う。

そんな空っぽの頭の中でぼんやりと考えた。

社用アドレスに送られてきた1通のメール。
読んでくれる環境か分からないけど・・・と遠慮がちに前置きしてあったが
ホント今日は寒いね、昨日寝違えて身体が痛い・・・なんて
他愛もない内容の雑談メールだった。
差出人は私と下の名前が同じ、年下の子で私を姉さん姉さんと慕ってくれている子だ。

実は私は入社当時この子が苦手だった。
ものの言い方が高圧的で、入ったばかりの頃
右も左も分からない新しい環境での彼女のきつい物言いに悔し涙を流した事もあった。
それから何ヶ月か経ち、はたと気がついたことがある。
彼女は私を心から信頼してくれている。
いつしかきつい物言いは消え、私を頼ってくれるようになった。
最初のきつい物言いは若さゆえのことだったんだ。

メールには大丈夫?とか元気出してとかそういう意味合いの事は書かれてなかった。
ただある意味ふと顔を合わせた時に話す雑談みたいな内容が妙に嬉しかった。
うわべだけの言葉の人、
自分に利ががあるときだけ乗ってくる人
人数が多い会社だけにいろいろな人がいる。
きっと本当に大切にしなきゃいけないのは、彼女みたいな子なんだな。
なんだかあったかい気持ちになれた。