必要なことは自分で決めること

今いるこの場所は、自分の意思で選び、そしてここへ来た。
その結果は失敗だったのか、成功だったのか。
それはここでは言わないけれど、多分失敗も成功もない。
いずれにしろ自分の目指すものや自分の考えを明確にする上で
必要なプロセスであることには間違いない。
だから大好きだった土地を離れてきたことを後悔していない。
今でも前職の土地は大好きだし、そして新しく過ごしているこの土地も大好きだ。

『必要なことは自分で決めること』
前職を離れてこの土地に動くかどうかを悩みぬいていたとき、
隣の席で孤軍奮闘していた当時新しくやってきたウェディングプランナーさんに教わったこと。
結果はどうあれ誰かのアドバイスで決めることじゃない。
そしてその言葉に従って私は自分で決めた。だから後悔はない。
彼女の何気ない言葉はいつしか私の強みになり信条になりつつある。

顧客に対しての接し方、考え方。
サービスすること、ホスピタリティー、もてなすってどういうことか。
一言で言えるものではないしこれが正解ってないんだと思う。
収益を上げながら顧客満足度を得る事。
そのために必要なマニュアル、オペレーション作り、数値管理。
集客のための広報活動、メディアをうまく利用していくことも大切。
現場主義、ゲスト主義の私だけど、ただ目の前にいるゲストをさばくだけじゃない。
部屋に案内し、食事を出し、そして精算し。
ただそれだけのことかもしれないけれど、一口に宿泊施設といっても
ビジネスホテル、ラブホテル、リゾートホテル、ペンション、民宿、旅館、山小屋。
それぞれがそれぞれの目的にあった接客、サービスを提供している。

ホテルが売るのはその空間、その時間、目に見えないものであって、モノではない。
そしてその過ごした時間に払う対価を妥当と感じるかそうでないと感じるか。
それは人によっても当然違ってくる。
部屋や環境などのハードや、接するヒトの対応が価格に見合ったものなのかどうか。

見えないものだからこそ、難しいしやりがいもある。
やっぱりこの仕事に就いてよかった。
そして私はこの仕事を続けていく。

このホテルの仕事というのはなんだか不思議なもので、どこもかしこもヒトで繋がっている。
ヒトとヒトとが関わっていく仕事だからこそなのかもしれない。
場所を変わる人、同じ場所で長く続けていく人、それは様々だ。

こうして今仕事から一歩ひいた立場でいるからこそ
自分の決意を再確認するいい機会なんだと思う。
とりとめもないけど、何となく自分のこれからに対しての決意の再確認。

なんせ人生博打打ち。一度きりしかないのだから。
多分私は石橋を壊すほど叩いて叩いて渡る家系から出た突然変異かもしれない。