ホコリを見ると思うこと

先日ふと立ち寄ったお店でのこと。
店内を広く見せるのに、壁の一角に大きな鏡が設置してあったのだが・・・。
その鏡を見上げてみて気がついた沢山のホコリ。
目をやってはいけないものを見てしまった瞬間。

働く方たちはにこやかでとっても感じが良くテキパキされていた。
掃除が行き届いてない、ということは働く方たちが原因なんだけど、
働く側の視点って気がつかない。何故か見えなくなる。
自分の家の棚の隅のホコリって気になるか、といえば・・・よほどでない限りは気にならない。
そこが日常の場になった途端に、分からなくなる。
引越しをしたときに掃除の鬼になり、あっちもこっちも
雑巾を凍らせながら掃除して気がついたことがある。
自分がここに入居したら?とそのつもりで掃除していた。

お客様の視点で、立場で物を考える、顧客思考で、なんてサービス業では
もう耳にたこが出来そうなぐらいどこでも聞かされてきたこと。
視点だけゲストで、って、頭の切り替えが出来る人もいると思うが、正直私には出来ない。
あくまでその考え方って、サービスを提供する側として、ということ。
自分がゲストになった途端に気がつくのに。
スタッフとして、オペレーションに落とし込んで、と組織として物事を考え始めた時点で
その思考は残念ながら既にゲストの目で物事を見ていないように思う。
そういえば、前職の隊長時代の苦い思い出をふと思い出した。
大きな窓ガラスの網戸の汚れが気になって気になってたまらない。
だけど、窓ガラスの掃除の日は木曜日だから、とせっせと別の場所を掃除する別のスタッフ。
みんな一生懸命にやっている。別に掃除をサボっている訳じゃない。
だがゲストは何曜日にどこを掃除しているかは知らないわけで。

前々職の総支配人は、総支配人なのに、いつも掃除ばかりしていた。
神出鬼没に現れては、あの上の隅っこにクモの巣が、テーブルが曲がってる・・・
本棚の本が揃ってない、何度叱られたことか。
よくもまぁこんな所に目が行くわね、と思いつつ、長い棒にタオルを巻きつけてせっせとクモの巣取り。
でもそのお陰で、例えば壁にかかっている額の上にホコリはたまってないか、とか
天井の隅っこのクモの巣、とにかく変なところに目が行くようになった。

今でも、こら、ここにホコリが付いてるじゃないか!って言われるような気がして
自分の部屋で思わぬ場所の汚れを見つけるとせっせと掃除してしまう私。
・・・要するに職業病である。