霧の中を駆け抜ける

今日は濃い霧に雨、そして風。
とにかくひどい天気だ。

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雨が降り出す前には、エサ台(いつの間にやらパワーアップした)には
ひっきりなしに鳥がやってくる。
彼らは雨が降ってくるのをちゃんと知っているんだな。
最近ではすっかり慣れたのか、見切られたのか、
近くで洗濯物を干そうが、サンデッキでのんびりしていようが、
この子達、全くお構いなしである。

こんなお天気の日は家でのんびりしているのが一番。
だが何を思ったか私、ジャージにいそいそと着替え、髪を結び上げ、
そしてキリリと手ぬぐいを頭に巻き、
ジョギングシューズの靴紐をきっちり結び・・・よーいどんっ
なぜこんな日に走り出したかって。

気まぐれである(キッパリ)

最近は泳ぎに行かない日は家の周りをぐるりとジョギングすることが多い。

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霧は相変わらず濃いけれど、
鮮やかな緑の中で、ちょっと幻想的な景色。
だけど、湿度120%。
みるみるジャージも手ぬぐいもびしょびしょ。
腰に下げていた鍵なんて結露してポタポタ水が垂れるほど。
こんな日に俄然元気なのは、かたつむりとトチ狂った私ぐらいである。

ふと思い立って、今日は事務所までジョギング。
車では10分かからないくらいだけど、片道4キロ弱。
結構いい運動である。
行きは上り坂を横着して歩いたり、写真を撮ったりする余裕があった。
行きはよいよい・・・この言葉は帰り道に深く実感することになる。

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そういえば今日は子どもの日だった。
山の中にこいのぼり?と思い近づいてみたら、
くたくたになって飛べなくなり枝にひっかかった
しょぼくれたアザラシの風船だった。
どこからともなく飛んできて、ここで力尽きたらしい。
霧に煙った中から見ると、風ではためいていて
ちょうどコイノボリみたいに見える。

そして30分弱で事務所に着いて、
休憩した後でひとしきり掃除をして、ふと外を見てみたら・・・
なんだか様子がおかしい。

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霧は更に濃く、視界をさえぎるほど。
そしてものすごい風。
適度な風は木々を揺らして
葉ずれの音が心地よく感じるものだけど、
強すぎる風は、ゴウゴウ、バタバタ、
ヒューヒュー、ザワザワ・・・
それは不気味で、そして何となく太刀打ち出来ないような、
自分の範疇を超えた感じがして、恐怖すら感じるものだ。

枝から散りかけのヤエザクラの花も
枝先の、ようやくのびのびと伸び始めた若葉もちぎり取っていく。
更に夕暮れ時もあってあたりは薄暗い。

そんな窓の外の景色を見ながら、大事な事を思い出した。
そうだ。車、ないんだ。歩いて帰らねばいけない。
こんな中帰るの、嫌だな・・・
事務所にこのまま泊まっちゃおうかな・・・
(温泉はあるし寝具もあるのでいざとなれば泊まれる)

いやいや、ダメダメ、帰ろう。
手ぬぐいをしっかり頭に巻きなおし、
両手で頬をペチペチ叩き、気合を入れていざ、よーいどんっ。

外に出てみたら、足元をすくわれるほどの強い風。
どこから聞こえるか分からないけど、
四方八方からのヒュウヒュウ、ゴウゴウ、という音。
ついさっき幻想的だと感じたその景色は、まるで魔物でも出そうなぐらいの雰囲気。
事務所を出るときの気合はどこへやら。
そりゃもう恐いのなんのって。
下り坂でスピードが付いてからは、ジョギング速度から疾走になり・・・
いったい何かに追われてるのか分からないけど疾走、奔走、遁走。
そしてはっと気がついたら家の前にいた。
30分もかからないほどの速さで4キロ弱を走りきった計算。
私の鈍った身体のどこにそれだけ走れる力があったのか。
まさに火事場の馬鹿力・・・。

家でほっとひといきついてみたら・・・
あれ、足が、腕が、腰が、首が。あれあれ、とにかく全身が痛い。
一歩踏み出すごとにきしむ身体。
緩慢な動き。座って立つのも一苦労。
そうよね。全速力で4キロも走れば仕方ないって。

あぁぁいたたた・・・
行きはよいよい帰りは恐い。
昔の人はいいことを言ったものだ。


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