鶴の恩返し?

日付が変わったのでもう一昨日の話になるが、久しぶりの週末休み。
それに合わせてお山のふもとから友人が泊まりに来ていた。

こんな山奥、遊びに来てくれても、どこか食べに出かけられる場所もない。
仕事が終わってそれから料理を作る時間もない。
その前日早朝出勤の上に夜遅くまで仕事していたせいで、
ものすごく眠かったものの、前の晩に居眠りして自分の指まですりおろす勢いで
たまねぎをすりおろしてドレッシングの仕込み。
あんまり包丁が切れないもんだから(メンテナンスしなすぎ)頭にきて
キッチンはさみでお肉をチョキンチョキン切って、真っ暗な中でお庭のハーブを摘み、
それをスライスした野菜とともにマリネ液に漬け込んだチキンソテー用のお肉。
そんな事をしていたら翌朝は寝坊した。当たり前だ。
・・・朝7時前には出勤なのに、夜中の3時半にジャコジャコたまねぎをすりおろしてたんだから。
自業自得である。

実は前の晩にそんなことがあった事はここだけの話だが。
無事に開催ミニミニホームパーティー
そういえば久しぶりに料理した気がする。
居眠りしながら作ったドレッシングも、チキンも、
ちゃんと食べられるもので一安心(そういえば味見もしていなかった)

私は多分料理が出来ない訳じゃない。
実際忙しい時や時間がない時以外、出来るだけ作るようにしていたから。
コンビニ弁当生活は何年か前に脱出に成功。
一人暮らし歴、10年以上ともなれば、それなりに何とか作れるようになるもんだ。
でも、口が裂けても得意だとは言えない。
だから料理が出来るかと問われると大抵曖昧に笑ってごまかす。
なんせぼーっとしていて真っ黒こげ、とか揚げ物で髪の毛ごと燃やしたとか、
圧力鍋のオモリが回っている最中に何かの拍子にずれてしまい、
勢いよく噴出した煮物のおしょうゆフレーバーミストを頭から浴びるとか(!)
そんな有り得ない大失敗逸話があるぐらいだ。
料理が得意だったら、そんなミス普通しない。

料理を作る動機って、二通りにわかれる気がする。
人に食べてもらいたいがために作るタイプ。
自分で食べたくて作るタイプ。私は間違いなく後者だ。
自分で食べる分には、焦がしても、指を切ってもやけどしても
ひとまず、誰かがおなかを空かしてご飯にありつけないような
悲しい思いをさせることはすくなくともさせずに済む。
前の晩にほとんど材料は仕込んでおいたもんだから、
本当はどっかで買ってきてたりして、と笑われたけれど
どうも私の料理はまるで鶴の恩返しみたいだ。
ちゃんと作ってるのに、一から作っている姿って
多分ほとんど誰も見たことないんじゃないか?
あまりの手際の悪さに途中で見ていられなくなって
作り手交換というのは過去に何度かあるかもしれないが。

だけど・・・
時間もかかるし、手元も何年経っても相変わらず怪しいけれど、
決して手抜きはしないし、要領は良くなくても納得出来るものを作りたい。
ぬっこ特製チーズトマトカレーとツナトマトスパゲティは
本当は自分で食べておいしいと思える大好きなものだけど、
やっぱり人に出す自信はない。・・・いやぁそれは得意とは言えないな。

だから、味見つまみ食い、兼洗い物係がいつもの役割。
でもたまには作るのも悪くないかな。
多分、また鶴の恩返しみたいにひっそり夜なべして仕込むんだけど。