野良猫と対話する

私は方向音痴だ。
散歩でプラプラ歩くのはいいのだが、路地に入った途端方向感覚を失う。
気づいたらぐるっと回ってまた振り出しに戻るなんて事もざらである。
これでは傍から見たら散歩でもウォーキングでもなく、ただの不審者である。
大通りを歩けばいいのに路地の方が小さな発見があったりして楽しいので
散歩には車では通らない路地をわざわざ選んで歩く。
土地勘はある程度あるにしろ、
車では通らないような細い路地が、どこに繋がるのかがよく分からない。

困った私、引っ越した時にもらった町の防災マップを引っ張り出してきた。
今日は海にしようか山にしようか。
そんな風に地図を見ながら散歩コースを決めて歩いていたのだが…
そんなある日気が付いた。

あ!携帯!!GPS付いてるじゃないの!
私はauの携帯を使っているのだが、「Run&walk」というアプリがある。
GPS連動で時速何キロで歩いていてどれだけの距離を歩いたのかを
データとして記録していけるものだ。
地図もちゃんと表示される。よしよし。
私が知りたかった事が全部網羅されてる。素敵。

さて、今日は海へ。
ひとしきり歩いた後で腰を下ろして海を見ながら休憩。
風が吹き荒れる夕暮れ時の海は藍色だ。
時間や天候により表情を大きく変える海は見ていて飽きない。
 
イメージ 1
ここにはテトラポットのすみっこをねぐらにしている
白い野良猫がいる。
釣り人が多く来るこの堤防脇では、
釣りのおこぼれで魚をもらったり
または釣りのお供に持ってきたお菓子や弁当類を餌にして
住み着いているようだ。
この子はいつもちゃっかり人の脇にちょこんと座って
何かしか食べている。
でも…ごめん。
私、あなたのお腹を満たす物は持ち合わせていない。
それを知ってか知らずか、こんなムスッとした表情。
写真を撮られるのは嫌ではないようだが、ただ機嫌があまり宜しくないらしい。
あぁ。そうですか。薄情者めっ。
 
夕暮れ時、風が強い海辺に一人と一匹。
テトラポットの陰の方が風をしのげるというのに、随分と長い事一緒にいてくれてありがとう。

イメージ 2
日が暮れる。
空の色は茜色から藍色へ。海の色は藍色から漆黒へ。
ゆっくり、ゆっくりと変わっていく。
 
本日の歩行距離4.7キロ(平均時速5.2キロ)