のどかな最果ての地で、血相を変えて走る

イメージ 1
 
私が生まれ育った「SLが走る街」は、空が広い。

このSL型の建物は、駅舎である。
毎週末のどかな田んぼの中を、
黒煙をもくもくあげて、汽笛を鳴らしながらSLが走る。
(でも私は乗った事がない)
 
標高は平均して100m程の起伏のない広大な平野が広がり
山の端でもビルの谷間でもなく、地平線に日が沈む。
 
そのSLが走る街の最果てにあるぬっこ宅。
この土地での散歩コースとして、小さい頃に飼っていた犬を散歩していた道を歩く。
「自然豊か」といえば聞こえはいいが、改めて本当に何にもないんだなぁ、と。
なーんにもない広大な田んぼの中をてくてく散歩するも…
建物もなければ人っ子ひとり、歩いていやしない。
いやはや。猫すらいないじゃないか。
 
食事中の人には申し訳ない話だが…
先日、散歩中にトイレに行きたくなった。
ここには途中トイレをお借りする建物もない、と気が付いたのは
田んぼのど真ん中で実際トイレに行きたくなってからだった。
魔が差して思わず物陰で…って、いやいやそんな訳にはいくわけもなく。
そもそも物陰すらないじゃないか!
半径100メートルに建物はない。
車も人もいないが、遮る物も、何もない。

家まで数キロ、青い顔でもじもじしながら全速力で走って帰った。
田んぼの中を一心不乱にトイレを求めて走るオーバーサーティーの私…。
まさに、のどかな景色に似つかわしくない地獄絵図。
悪夢以外の何物でもない。
 
イメージ 2
街には餃子店も、勿論ある。
なんせここは餃子の国。
この看板「餃子のみんみん」は
一応それなりに、この国では知れた餃子チェーン店。
餃子といえば、「王将」ではなく「みんみん」だと言っても
過言ではない。
まわし者のような事を言ってみるが、
実は、みんみんの餃子は食べた事がない。
だから、ここまで言いながら無責任な話だが、
美味いかどうかは知らない。
多分この世で一番美味しい餃子は、ぬっこ宅代々伝わる秘伝レシピで作るものだと今でも信じてやまない。
 
こんな、「何にもない」のどかな暮らしが始まって1週間が経とうとしている。