ぬっこ 洋服を選ぶ楽しみを知る

ホテルの仕事には制服、またはそれに準ずるものがある。
つまり普段はスーツかそのホテルの制服を着用する事になる。
休日も返上する勢いで仕事をしていたという事は…私服を着る事などほとんどなかった。
加えて一昨年の大騒動で服自体ほとんど捨てて(!)しまい。
私服で通勤するOLさんからしてみたら考えられないかもしれないが
私のタンスはほとんど黒一色。
スーツのインナーに着ていたのは冬は黒のタートルネック、夏は同じく黒のカットソー。
私は色味のある服を持っていなかった。
 
こんな生活をするようになり、最近ちょこちょこ外出する機会が増えてきたものの
別にスーツを着る必要性なんてまるでない訳で、
適当に買い物や散歩やプールに行く際の服があまりにない事に
不便を感じるようになり、あれこれ購入。

タイや中国の南方に住むのミャン族という少数民族が織った生地を使ったワンピース。
イスラム圏の服装だった不思議な形のサルエルパンツ。
まるでラグマット纏うみたいな、コート。
インド製の巻きスカート。
いったいどうしちゃったの?なんのこっちゃ、と言われそうだが
これらは実は手持ちの黒い服と意外と合わせられる。
どこぞの民族の?という装いになるかと思えばそうでもなかったりする。
気が付けば私のタンスは黒一色だった頃と比べて随分と柄物が増えてきた。
あぁ。機械的にタンスの引き出しを開けて着替えるとは違う楽しみが生まれた。
今日はこのスカートにしようかなぁ、なんて嬉々として服選びをしている自分なんぞ
数ヶ月前に想像出来ただろうか。
(こう考えてみると私は今までどれだけヒトらしくない生活をしていたんだろう。)
 
一旦リセットする、というのがテーマの今の生活。
次のステージとなる「再生」はどんな方向性になるんだろう。
とはいえ次の道を模索しようというよりも
ちっとも本題の事は頭にはないらしく
明日はコクチョウさんに逢えるかしら?とか
ごそごそ持ち運びに丁度いいハンディサイズの野鳥図鑑を古い本棚から見つけてきて
バッグに忍ばせてみたり、
こちらで釣りをするにはやっぱりフライフィッシングがいいかしらなんて
ごそごそ調べ物をしてみたり…
勿論手織物も着物解きも進行中。パンも焼きもふもふちぎってつまみ食いしながら。
再生するための助走期間、なのかな。
最近は随分と前よりもアクティブに動き出したように思う。