庭の垣根を踏み越えて

自分自身と、外の環境だったり他の人との間に、境界線があると思う。
その境界線は自分を護るためのもの。
動物で言えば、縄張りみたいなもの。
 
よく人と人とが会話する時の快適距離ってあると思うけれど
私は自分の境界線は過剰に守ろうとするくせに、
環境だったり他の人に対しての境界線を時に無視してしまう事がある。
いや、意図的に無視してしまうのではなくて、「見えなくなる」という言い方の方が語弊がないかもしれない。
 
例えば、お腹をすかして困っている人がいたとする。
そこで困っている人に対して何かしてあげたいと思う、ここまでは皆そうかもしれない。
だけど、私の場合、境界線を見失って自分の分まで全部困っている人に与えてしまう。
これは困るのは私自身だけなので、ある意味「ただのお人よし」である。
 
でも、その境界線を見失う事での幣害も当然ある。
興味を持ったものをとことんつきつめる。
周りが見えなくなる。
その結果、周りに多大なる迷惑をかける事もしばしばである。
これは大きな問題。
そして残念な事にその瞬間を自覚出来ない事。
他の人に、あの・・・それ境界線を踏み越えてますけど?と言われて
初めてはっと気がつく。
 
例えば、すごくいい香りのするきれいな花がどこぞのお宅の庭に咲いていたとする。
あまりに素敵なので垣根ごしではなくて、もっと近づいてみてみたい。
その時、そこのお宅の方に断った上で少し近づいて見せてもらうならいいと思う。
勢いで状況もそこのお宅のご都合も、そもそも他人の庭であることすら
見えなくなりがちの私は目の前の垣根をよっこいしょ、と踏み越えてずしずし花に近づこうとする。
つまり、他人の「境界線」を相手の都合も断りもなく冒してしまう。
本人に悪意はなくても人さまにとってはただの侵入者、大迷惑だ。
 
後から気がついて反省することしきり。
これが自分で気づけるようになる日は来るんだろうか。