ぬっこのカクテルの街放浪記 その2

夕立もなかったこの日。
まとわりつくようなじっとりした暑さの夜。
何を飲むか…モヒートだな。
夜の街に放たれたぬっこが行く先は…バーである。
とはいえ、私自身宇都宮のお店事情には疎いので有名店の門戸を叩くことに。
ちょっと残念な話なので、店名は控えようと思う。

カウンターにはバーテンダーさんがふたり。
何やら険悪でピリピリした雰囲気である。
お客へのウェルカムはしっかりしているのに、当のバーテンダーはお客を見ていない。

険悪な理由は…新人さんへの指導中。
誰も頼んでいない何かをつくってしまい、それどうするの、と叱られていた。
この指導を高みの見物をするのか、某かの形でとばっちりをくうのか…
果たして。

モヒートとはクラッシュアイスにラムとミントの葉を入れて、ライムを絞りソーダで割った飲み物で、
夏の熱い時にミントの清涼感とともに、さっぱりとした気分にさせてくれる。
簡単な作り方だけど、だからこその難しさがある。

カウンターの向こうでは、まずグラスのチョイスからレクチャーが始まった。(そ、そこからなの…)
グラスにクラッシュアイスを入れて…(多すぎです)
ミントシロップを…2スプーン強を(計らずにいれて叱られて)
フレッシュミントは2、3枚ちぎって手でぱぱんっと叩いて入れる。(少ないよぅ)
イメージ 1はい。出来上がり!
レクチャー終了で、
私用のがこれから作られるのかと思いきや!

いらっとした表情から一転し柔和な笑みで供されるグラス。
あらら…私自身が実験台なのね。がっくし。
ミントの野趣溢れる香りなんぞまったくしない
薄っぺらいモヒートが出てきた。

残念、残念過ぎる。

お通しも何もかも手を付けることなく、モヒートをすすっと味見して退店。
カクテルの街での大失敗。
これで帰るのも後味がわるい。
何より、美味しいモヒートを飲みたい、と意地になり夜の街、をさまようのだった。

つづく