テーブルの上の野菜の森~natural french cafe mikumari ~
ずっと気になっていたのだが、基本的にランチは予約で、というこのお店。
「natural french cafe mikumari」
おそらくこういうお店って時間辺り何組、とかそういう予約の取り方をしているんだと思う。
そう思うと、一人で行っても1組は1組。
なかなか予約の取れない人気店だけに、一人でのさばるのも
店主様に申し訳ないなぁなんて気が引けていたのだが…。
誕生日のありがとうの気持ちを込めて、母と2人でなら、と思い
朝のうちに予約して出かける事にした。
ところが、これがまた。
道が分からないのだ。
なにせ看板がない。
細い細い田舎道をどこまでもどこまでも…。うーん。手がかりすらない。
明らかにこの辺だ、という所までは行けたものの、あと一歩のところで場所が分からず。
ギブアップ。
通り過ぎて別の場所に行ってしまった為に一旦Uターンして戻り、
タバコ屋のおばちゃんに聞いた所…。
「やっぱり来ると思ったんだよ。そこの角を曲がって4軒目だよ」と親切に教えてくれた。
うろうろしながら、道を探してのそりのそりと走る車が、
結局目的地を通り過ぎてしまい、私のようにUターンして戻って
このタバコ屋さんに行きついて、店の場所を聞く人がよっぽど多いに違いない。
そしてなんとか辿り着いた。
この店の「mikumari」とは意外なことに日本語である。
『水分(ミクマリ)』 漢字でこう書きます
いろいろな意味があるのですが、「水の分岐点」「水を分け与える場所」という意味です。
このお店が『水』のような場所でありたいと思い名付けました。
(お店のBLOGより)
お店では日替わりプレートをオーダー。
豚肉の煮込み料理と…壮観の野菜の森!
キャベツ、レタス、ズッキーニ、オクラ、きゅうり、サツマイモ、ジャガイモ、大根、ナス、トマト、
それからにんじん、ゴーヤ、玉ねぎなどなど。
プレートの上で躍る彩り野菜に思わず、小さな歓声をあげる。
主役は野菜!そんなお料理。
お肉はほろほろっと口の中でとろける。
ソースは、黒コショウをぴりっときかせて。
野菜は生だったり、オーブンで焼いてあったり揚げてあったり調理法も様々で
野菜それぞれの持つ力が最大限に引き出された五感で愉しめる料理だった。
デザートはフォンダンショコラが美味しいとのことだったけれど、
いかんせんチョコレートが苦手なのでチーズケーキを選択。
気まぐれコーヒーも、オーダーとともに挽いてハンドドリップで淹れてくれる。
酸味のあるコーヒーは苦手だったのだけれど、苦みと甘みと酸味のバランスが絶妙な味。
避けて通ってしまうことで、出逢えない味もあるんだろうと思う。
たまたま、あえて避けずに選んだお陰で、美味しい美味しいコーヒーに出逢えた。
それは人づきあいだったり、生活全般において言える事かもしれない。
私は先入観で、「こう」と決めたら「こう」しか見えなくなる。
あれやそれや他にもあるはずなのに、こうと決めた方向しか見ない傾向がある。
それは凄く残念で、すごくもったいない事だ。
…そう考えるとお勧めのフォンダンショコラも食べてみたかったな。
ここは季節野菜を存分に味わえるので、今度は季節を変えて訪れたい。
というよりも、こんなに素材の旨味をよいしょっと引き出してくれる店主さんの腕に惚れたのかもしれない。
次にお会いした時には、いろいろお話も伺ってみたい。
となると、手が空く時間帯を選んでお邪魔しなくっちゃ。
何より今日は子供みたいに母の喜ぶ顔が見られて良かった。
natural french cafe mikumari