浅草橋そぞろ歩き その1 ~ココハドコ?~
母は籐工芸の先生をしている。
教室の教材は、問屋でまとめて仕入れ。
物自体が分かるものについては取り寄せる事が多いそうなのだが
リサーチと仕入れがてら浅草橋に行くという母に
面白そうなので荷物持ちと称して物見遊山に同行することにした。
浅草橋は、浅草ではない。
ご丁寧に「歩いたら30分~40分かかります」とまで駅に張り紙がしてある。
実際電車で通り過ぎたことはあるけれど降り立つのは初めての浅草橋。
その駅名の通り、神田川にかかる「浅草橋」からの景色。
屋台船が幾つも係留されている。
調べてみたら、乗合は1万円~食事のコースによって値段が変わるとのこと。
おっ。週末限定で、スカイツリーを眺めながらのランチクルーズなんていうのもある。
詳細はこちら→(屋形船三浦屋さんウェブサイト)http://www.funayado-miuraya.co.jp/skytree-lunch.html
楽しそうだなぁ。乗ってみたいなぁ。
橋の上で既に船を眺めて乗船したつもりでにんまりしている私は随分とおめでたい奴である。
そんな私が屋形船に乗ったあかつきにはどうなってしまうんだか。
浅草橋の問屋街はもともとは、文具や玩具、洋服、人形などの店が軒を連ねるのだが
最近では手芸用品やビーズ、皮製品などのお店も増えて
手工芸職人にとってはテンションが上がる街である。
ワンピースが780円、Tシャツ300円?!なんて並ぶお店に勝手にテンションを上げて見て回ったら
みんな大口購入のみの専門店だった。ちぇっ。
さすが問屋街だけあって「小売は致しません!」なんて張り紙をしっかり貼っているお店も。
あぁ、はいはい、次はこっちの店ね。
「日本で一番革ひもが揃ってる店」と立て看板。
え、ここで革ひも60メートルご購入ですか。(単位が大きすぎて意味が分からない私)
っていうか在庫全部買い占めるって。
あぁそうですか、なんて思いつつ、
私はすっかりお腹が減って気もそぞろ、既に荷物もちの役割は果たしていない。
ガード下には幾つも飲食店が立ち並びどれも魅力的。
赤ちょうちんも昼間から営業してる!
立ち喰い寿司屋さん、なんてのもある。
私にとってはそっちの方が魅力的。
テンションの上がりどころがどうも間違えているような。
おっとっと。そもそも今日は酒場放浪紀行じゃなかったっけ。
既に本分を忘れている。
昼食どころに悩んだ挙句、ガード下のたたみ屋のおじちゃんを発見し、突撃リサーチを敢行。
蕎麦屋とかホルモン焼き屋さんは、何となく私が飲んでしまいそうなので
これこれしかじか…あの…この土地で美味しい食事処は?
とさすが下町、江戸語で返ってきた。
男らしいっさすが!
と言うわけでストーン目指して…いや。そもそも革ひも60メートルのお店に母を残したままだった。
えーーーっと、ど、どこだっけ。そもそもここはどこ、私は誰の状態に。
網の目の路地を歩きすぎて迷子。
さてっどうなる。どうなる。