顧客管理という仕事

仕事のハナシ。

ホテルは顧客情報を持っている。
名前や所在地、連絡先など基本情報の他に、食べられないもの、車のナンバー、趣向、などなど。
それらの情報は、ゲストから直接伺う物以外に、いらっしゃった際にスタッフが収集するもの
ゲストからリクエストされるたもの、あとはホテルで起きた出来事、と
大きく分けると4種類あるように思う。

車種やナンバーは控えておけば、次に来た時にお名前は?と聞かずに最初から名前で呼べる。
食べられない物は、次にいらっしゃる時には伺わずに最初からメニューから外す。
電話で用件だけ言って一方的に切ってしまう人や話を全く聞かない人には
手短に話すように心がけるようにする。
アルコールを飲まないゲストには冷蔵庫の中身は
ソフトドリンクやミネラルウォーターに差し替えられる。
…こうしてホテルに来る回数が増える毎にそのゲストに関する情報は増えていく。

結婚記念日で何年かぶりの旅行だと電話で言っていたとしよう。
その情報はスタッフに流され、チェックインして部屋に案内する頃には
あらかじめ支配人のメッセージと共にシャンパンが用意されている。

顧客情報はただDMを発送するだけのものじゃない。
滞在するゲストがゆったり過ごせるように、特別な時間を過ごせるように役立てられていく。
そしてそれを管理するのが私の仕事。

スタッフとの他愛もない雑談から、情報は引き出されてくる。
だがそれらを後からシステムに入力しようと思えば忘れてしまう。
システムを使えない人間も大勢いる。
皆が小さなメモ帳をもち、気付いた事や情報を書いてくれれば
それらを集めてまとめて入力出来る。
個々の頭の中だけにあった情報がスタッフ全員で共有できる。
アナログだけど、多分一番効果的な方法。
今その小さなメモ帳をどんなフォーマットで作るか
どんなサイズでどんなデザインにするか画策中。

表に出ないけど、ゲストの事をよく知ってる私。
ホテルの仕事にはこんな分野もあるってご存知でしたか?