星をみてたはずなのに

台風が過ぎ去って、抜けるような青空の1日。
風に木々が揺れるザワザワとした音。
ヒグラシの涼やかな鳴き声。
なんて夏らしいいい日なんだろう!
…そう恨めしげに窓から外を眺めながら1日事務仕事。
ああもうこんないいお天気の日に仕事だなんて。

帰り道は肌寒いぐらいの涼しい風が吹いていた。
久し振りの満天の星空。
ちょうど東の空には上ったばかりの月。
今日は仕事中あまりにおなかが減ったので
事務所に食事を持ち込んで、周囲は皆仕事をしているというのに
PCを前にデスクで1人夕ご飯を食べる荒業をなしとげた。
そのお陰でおなかは空いてない。
今日は出勤が早かったお陰で帰りの時間も遅くない。
そして空一面の星…

家とは逆方面に車は自然に向いていた。
放浪癖全開モード。

メインの街道は山に向けて伸びており、
車で簡単に標高1000メートルを超える山の中腹まで行ける。
その眼下には大パノラマの景色。
真っ暗な山道を登ると、途中何台か車が止められるスペースがある。
そこに車を止めて、窓を全開にして、運転席のドアの所頬づえをついて空を見上げた。
風の音と虫の声。遠くに広がる街の光。
おなかがいっぱいな上に寝不足続き、しかも残業して疲れている、心地いい風。。。

気が付けば窓に頭をもたせかけ、そのまま眠ってしまった。
どれぐらい寝ていたか分からない。
だけど、上りたてで大きく見えた月は空に小さくこうこうと青白く光っていた。

夢を見た。
珍しく運転席じゃなくて、誰かの車の助手席に座って海岸線をドライブしていた。
よく覚えてないけど幸せな空気が流れる夢。

それはさておき。
仕事帰りに夜景を見に行ったはずが寝てしまったマヌケな自分。。。
しかも寝違えて首の痛いこと、痛いこと。
ああもう、幸せな気分も台無しだ。