GMの心遣い
トマトに砂糖をかけて食べるというのでありえないと言い切ったら、
おもむろにトマトを5,6個取り出して
慣れた手つきで包丁を持ち切り始めた。
トマトのデザートを作るという。
おもむろにトマトを5,6個取り出して
慣れた手つきで包丁を持ち切り始めた。
トマトのデザートを作るという。
GMはもともと一レストランスタッフだった、
ホテルマン街道まっしぐらで突き進んできた、いわゆる「たたきあげ」の人。
管理職というよりは現場肌で
なんでも自分でやらなければ気がすまないタイプだ。
ホテルマンはエンターティナーだという持論を自ら実践している。
だからGMがケアしているゲストで誕生日の人がいれば
夕食の時にサプライズで花火をあげたり、とにかく演出上手な人だ。
もっともそのサプライズに一番驚かされて振り回されるのは
大抵それに巻き込まれたほかのスタッフなんだけど。
そんなGMだが、お客様が来ていると連絡が入っていて忙しいはずなのに、
鼻歌交じりでトマトを小さくカットして
氷で冷やしながらボールにトマトを入れ砂糖で混ぜて味見。
トマトの酸味とグラニュー糖の甘みが絶妙で笑みがこぼれる味。
器も涼しげなグラスに盛り付けて、出来上がり。
鼻歌交じりでトマトを小さくカットして
氷で冷やしながらボールにトマトを入れ砂糖で混ぜて味見。
トマトの酸味とグラニュー糖の甘みが絶妙で笑みがこぼれる味。
器も涼しげなグラスに盛り付けて、出来上がり。
ニコニコしながらそのGM特製デザートを食べる。
周囲に少しずつ分けてあげたのだが、
トマトが甘いのは嫌だと言う人もいたし、美味しいという人もいたし、
賛否両論だった。
だけど、私のためにそのGMの忙しい時間を割いて
作ってくれたということがすごく嬉しかったのと、
疲れていたので甘いものが妙に体に染み渡って美味しかったのと
単純にそのデザートの味が絶品だったかどうかというよりも
そのデザートが作られた背景やGMの心遣いとかいろんなものがミックスされて
食べ終わった後はなぜかとても元気になっていた。
そういえば昨日、肌が荒れていた私をみて、
野菜が足りないんだよ、と昨日言っていたっけ。
そんなさりげない気遣いに感謝。
ゲストに対してもこの人はきっとこうなんだろうなぁ。
野菜が足りないんだよ、と昨日言っていたっけ。
そんなさりげない気遣いに感謝。
ゲストに対してもこの人はきっとこうなんだろうなぁ。
っていうか総支配人にデザートを作らせた私って・・・。
実は結構それって大変なことだったりして。
実は結構それって大変なことだったりして。