通り雨の心

なぜか車に乗っていて唐突に涙が出そうになった。

自分の事なのに、自分の心の動きがよく分からなくなるときがある。
どうして今のタイミングでそんな事を思い出して哀しくなるんだろう、とか。
何をきっかけにして哀しい事を思い出したのかすらよく分からないけど
意味もなくふとした瞬間に
ひどく悲しい思いをしたり傷ついた事を思い出して
深い底に沈むだけでは飽きたらず、
更に自分で深い奈落へとわざわざ穴を掘り進めてしまう事がある。

落ち込んでだからどうということもない。ひどく悲しくなるってだけ。
それだけ自分が傷ついたような出来事な訳だからすぐに癒える事でもない。
だけど一方ではまた別のきっかけをつかんだ次の瞬間
どん底に落ちそうになった急降下はストップして急浮上出来る。
その辺りのコントロールは自分で出来る。
感情の起伏が激しい自分をなだめて、それをうまく慣らす方法は多分わかってる。

その証拠に悲しくなって、涙が出そうになった数十分後には、
佐渡島の旅行のお土産話を興味津々で聞かせてもらい
遠いようで近いその離島に思いをはせ、自分も行ったつもりで話にのめり込み
さっきまで悲しかった事なんてすっかり忘れてた。
そういうものだ。山の通り雨みたいなもの。
日々過ぎていく時の流れの中、いろんな出来事が一緒に流れている。
過去の悲しい事も今の楽しい事も、また未来の希望も、将来の漠然とした不安も。
それらがミックスして同時進行で浮いたり沈んだりを繰り返しながらも
その流れがよどんだり停滞したりせずに
結果的に川の流れみたいにとうとうと流れていくのならきっとそれでいいんだと思う。

今日何故か突如やってきた悲しいその流れに押しつぶされずに済んだのは
お酒の席でお土産話を沢山してくれ、私に楽しい流れを沢山運んでくれた方達のお陰。
なんだかいつも私は飲みに行くたびに、内心感謝して
あったかい気持ちになっている気がする。
通り雨の私の心に大きな虹がかかった。

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ちなみに佐渡のお土産にイカの干物を頂いた。
スルメイカみたいに硬くなくて、
切ってみたら真ん中にはワタがそのまま入っている。
私は自分で塩辛を作る程、イカは大好きだ。
ほんの少しだけあぶって食べてみた。
ちょっと塩辛いけどワタの味が絶品。
あぁもう最高。こりゃたまらん。
酔いを覚まして帰ってきたというのに
夜更けにあぶったイカをつまみにして酒盛り再開。
まるで八代亜紀の歌みたいだが、一応歳は20代である。