駐車場パニック

ヘリコプターで来館する人も稀にいる。
私の中でヘリコプターというのは災害救助や報道や農薬散布に使われるもので
人の移動の交通手段の1つとして使われるなんて意識はまるでなかったので
最初にそんな話を聞いてひどく驚いた。

今日はヘリで来館するゲストがいた。
だが台風が近づいてあいにくの天気。
大抵曇ったり雨が降ったりする日は間違いなくヘリは飛ばない。
そんな訳で結局キャンセルになったのだが、
うちのホテルは高い建物の屋上にヘリポートがある、訳ではない。
みだりにいろんな場所に離発着してはいけない乗り物だが、
ヘリが飛来し、降り立つヘリポートと呼ばれるその場所は、スタッフ用の丘の上の駐車場。
つまりヘリが来る日は駐車場が使えないということだ。
前日にスタッフに通達が流され、
歩いて10分以上かかる山の中に車を置いて歩いてくるように指示が出る。
ここだけの話、だからヘリが来るとブーイングが起きる。
スタッフの車だけでざっと約40,50台はある。
それだけの駐車場を確保するのは容易ではないからだ。

大抵そんな乗り物に乗ってくる人たちは秒刻みで仕事をしているような忙しいお金持ちか
あとは趣味で自分で操縦したいというちょっと変わった人かぐらいだ。
駐車場パニックが起きても、何度ヘリが来ても、
やっぱりバタバタバタ、と空からヘリの音が近づいてくるとちょっとだけドキドキしてしまう自分。
あくまで庶民の私。