おおきに

1ヶ月ほど前に受けた電話。関西から初めてこちらにいらっしゃるお客様だった。
予約を受けてから、変更の電話やその他手配を一括して私が手配していた。
通常電話で受ける予約は担当制ではないので、その電話を受けた人間が手配することになる。
だが、そのお客様は私をいつも指名してくれる方だった。

2泊される方だったのだが、ある日滞在スケジュールを組んで欲しい、と。
グループのお客様のタイムスケジュールを作る事はあっても、
個人のお客様のものを作る事は通常ない。
皆敷地を散策したり部屋でゆっくりしたりして、思い思いに過ごすからだ。
私自身あえて時間に添ってではなく時間を忘れてゆっくりして欲しいと思う。
だがお客様の希望は希望だ。
『滞在の案内』として、敷地で私がお気に入りの場所や私ならこんな過ごし方をする、と
幾つかの選択肢を時間を入れずに提案した。

それはお客様のイメージとは若干違うものだったかもしれない。
いらっしゃるまでにイメージを膨らませて頂いて、
ご自分で何もしない時間をお過ごしいただきたかった。
私なりの思案した挙句のもの。

1ヶ月した一昨日、そのお客様がやってきた。
休みの関係で私はご挨拶出来ていなかったのだがそのお客様がお帰りの日。
お見送りにそのお客様に会いに行き、そしてご滞在がどうだったかお伺いしてみた。
沢山食べて、そして敷地でゆっくり過ごした2日間でした、と晴れ晴れとした笑顔。

ありがとう、おおきに。

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そして私にお土産のマロンティーとお菓子のセット。
お帰りのバスに乗るそのお客様に、
また是非いらしてください、とお客様の握手を求めて、
バスが見えなくなるまで見送った。
普段絶対誰かと握手なんてしないが、
自分のお客様がいらした時、私は最後に握手を求めるようにしている。
なんとなく気持ちが繋がるような気がするから。

なんだかほっと温かい気分になった日。
またいらしてください。ワガママもいろんな手配も私が請け負いますから。