タガが外れない

仕事を終えてから、夜勤のフロントマネージャーと仕事を終えたレストランのマネージャーと
1時間くらいバカな話をして時間を過ごした。

バーテンダーが練習で作ったとかいうウィスキーベースの真っ赤なキレイな色のカクテルがあったので
ぐびっと一口飲んだのだけれど、口の中も喉も食道もその赤い液体が通った場所が焼けそうに熱い。
いったいどれぐらいの強さのお酒が入っているのか検討もつかない。
40度とか50度とかそんなお酒。
それから数分でなんとなくテンションが上がる。
しまった、普通に酔った。
酔った勢いで、マネージャーがダメだからフロントスタッフが無責任でダメなんだ、と
言おうと思ったけれど、言うのを思い留めた。
その言葉はきっとマネージャーを傷つけるものだって知ってたから。

私は酔ってもタガが外れないすごく強靭な理性の持ち主らしく
記憶も飛ばなければ、ちょっとくらくらするだけでいたって平静だったりする。
壊れそうになっても、どっかで壊れてはいけないってブレーキがかかる。
だから酔った勢いというのは正直言うと私には存在しない。
大抵酔った勢いのフリである。その方が楽だしそうでないと場がしらけるから。
決して強い訳じゃない。体のアルコール分解酵素は大して持ってないと思う。
だから1人で家で飲めばクダ巻いてグダグダ。
けど、ただ誰かがいたり外だったり、とにかく1人じゃない時はグダグダになることはない。
グダグダにならないので、周りはザルだと勘違い。
飲め飲めと注がれるが決して強い訳でもないので、
平静でありながらも強制終了の瞬間は着実にやってくる。
気持ち悪くてもトイレに行くまではあくまで平静。
バカみたい。でもいつもそんな感じ。
だから外で飲むのはあんまり好きじゃない。

自分が一番好きな仕事であるフロントが他の部署から非難されているのを
本意でない部署である外から眺めるのは正直辛い。
酔った勢いで言えればどれだけ楽だろう。

今年の新入社員ははずれだと毒付く自分の言葉が妙にトゲトゲしくって、
そんな自分で放った悪意のある言葉に気分が悪くなった。
自分で吐き出したトゲを自分で刺してしまった感じ。
何だか胸が痛い。