思い立ったが吉日

ふと目が覚めた時に蕎麦が食べたいと思った。
それでいつも行くお気に入りの蕎麦屋さんに足を運ぶ事にした。
行き先は茨城県大子町にある月待の滝もみじ苑
眼鏡をかけた気のやさしそうないつも頭にタオルを巻いたご主人と奥さんでやっている
その名の通り月待の滝の滝壷すぐ傍、周りにはモミジの木が沢山生えている所で
ひっそりと営まれている小さなログハウスのお店だ。

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滝は裏見の滝で水量が少なければ滝の裏側に入れる。
夏場なんて結構川を通り抜ける風が涼しくて気持ちいいし、
秋は当然紅葉、冬は寒いが滝壷が凍るので
凍った水の上をツルツル歩いて渡ったりもできる。
台風の後は濁流が筒状になって流れ落ちさながら鉄砲水状態で恐いが…。

汁は正直濃すぎるのかもしれない。
だけど細打ちのお蕎麦が大好きな私としては
多分大好きなお店リストのベスト幾つかに確実に入る。
ちゃんとお蕎麦の香りがする蕎麦ってありそうでなかなかない。
いつも1人分のそばを頼んで出てきたらもう1枚頼んでおく。
…つまり2人前食べるということだ。
お蕎麦の命は1分30秒という。
つまり茹であがってから1分30秒で風味も食感も全て格段に落ちていく。
そば大盛りなんてだからもっての外。
ここのお蕎麦もそうだが盛りが非常に少ない。
だから食べ終わる頃にまた新しいものが来るように頼んでおけば
美味しいお蕎麦が沢山食べられる。

そんな食べ方をするせいか最近は顔を覚えてくれたようで
2枚目を頼む時に、「あ、どうも」とにっこり。
1枚目のお蕎麦、今日は茹ですぎだったな…そんな事を思いつつも
そば湯もトロトロの一番濃い所を、とリクエストして濃い味のものをおかわりして飲んだ。
そばぜんざいも美味しかった。
っていうか相変わらず食べすぎだ。

蕎麦粉が欲しいと言ったおばちゃんたちがいたのだが
水車小屋の所に新しい粉をわざわざ挽きに行っていた。
このご主人冬は数ヶ月お休みして蕎麦修行日本一周の旅に出かけてしまったりする。
こだわって自分の好きなものに打ち込むひたむきな目っていいなあと
いつもこのご主人を見ていると思う。
蕎麦の味も美味しいのだが、
寡黙ながら自分の好きな事に真面目に取り組むそのご主人の姿が見たいがために
多分毎回行くんだと思う。

帰りはずっと気になっていたのに通り過ぎていた
大子ブルワリーに寄って地ビールを購入。
地ビール万歳。蕎麦万歳。