お店もハッピー、お客さんもハッピー

帰りに寄った地ビールやさんで思った。
お客は私だけ。店員さんがひとり。
お店を出ようとした瞬間、
大粒の雨がポツンポツン…やがては滝のようにザァーッと降り出した。
車までは大した距離ではない。走って20歩ぐらい。
だからあーあ、降って来ちゃったよと思いつつも
雨の中買ったビールを抱えて走って車まで戻った。

帰り道にそんなずぶぬれの私の背中を見送ったあの店員さんなら私ならどうしたかなぁと思った。

1.傘を貸してあげる。
2.車を回してあげる。
3.すぐ止みますから少し待ちますか?と話し掛ける。
       どんなビールがお好きなんですか?なんて話題をふってみる。
   (試飲や試食があれば、ビールの説明なんてしながらどうですか?とすすめてみる。)

ふと思った選択肢を検証。

1.貸し傘を予め用意していなければ、無理な話。
→第一一見のお客さんに大した距離でもないのに傘を貸して持っていかれてしまったら?

2.ホテルや宿屋でもないので小売店員が車の鍵を預かって回すのも必要なし。
→万が一車の操作をあやまって何かあったら?

経営者でもなんでもない一店員として出来る最善は多分一番最後。
3.ビール屋さんでビールが好きで買いに来てるんだから、その話題、乗らないはずがない。
→もしかしたら話によっては自分の好みのビールの一回り大きいサイズのものや
 つまみやデザートまで買ったかも。例え売れなくても、ただの会話なんだからお互い損もリスクもな  い。話している間に雨が小止みになればお客さんもハッピー。何か1つ売上が上がれば店もハッピー。


ただ黙って見送った彼も間違いじゃない。
物を販売する彼の仕事は果たしたのだから。
だが多分売上を少しでもアップするきっかけなんて、いつでもどこにでも転がっていると思う。
お店全体の意識を変えたり、何か店側が投資してお客のために用意したり
また品物全体の値段を下げたりするのは確かに売上は上がるかもしれない。
だけど、人が物を売っているんだから。人ができることをしなくっちゃ。
商売魂みえみえのセールストークをしろという訳じゃない。
ただその一言が売上を上げるかも、ということ。意識を忘れちゃいけない、ということ。
ビール屋の店番をしていたお兄さんを見てそんな事を考えてたら家に着いてしまった。

ホテルだって宿屋だってそういうこと。
おもてなしするって簡単じゃない。
だけどゲストがまた来ようと思うきっかけってすごく些細な一言だったりする。
大規模な売上のための改革や問題解決とは全く別の話で単純に個々の意識の問題。
数字でその個々の意識や些細な努力がどう現れるのかなんて計れないものだけど
全員がそんな風にお店も、ゲストもどうしたらハッピーになれるか?って考えていたら
きっと売上にも跳ね返ってくるんじゃなかろうか。