泣きながらふろふき大根を食べる

音や映像、匂いが引き金になって思い出す思い出ってある。
例えばカレーの匂いがしたら何となく温かい家庭のイメージ、とか。

今日、ふろふき大根を作っていた。
大根を輪切りにして皮をむき、角を丸く削って十字に包丁を入れ。
米粒を入れてアクをひたすら取りながら煮ること30分。
大根が半透明になってきたら串を刺して柔らかくなったら、
今度は水を取り替え昆布を鍋に入れてまた煮ること30分。

鼻歌交じりで作って舌鼓、のはずだったのだが・・・。

実はその『ふろふき大根』を作りながら借りてきたDVDを見ていた。
見ていたのはレオナルドデカプリオが出ている映画、ブラッドダイヤモンド
私はてっきりダイヤモンドをギャングが奪うアクション物だと思っていたのだけれど、
なんだか様子が違う。
アフリカ、シエラレオネで採れるダイヤモンドを巡っての内戦、血で血を洗うような戦い。
身体のサイズに似つかわしくないマシンガンを撃つ少年兵。
見ていて胸が痛くなるような重い内容だが、非常に考えさせられるとてもいい映画だった。

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ふろふき大根が出来上がる頃、映画も終盤。
そこで止める訳にもいかず、
出来上がったふろふき大根を頬張りながら
ストーリーの先を急ぐ。

甘めのひき肉が入ったお味噌をかけた、
時間をかけて炊き上がった大根は
昆布の香りがふわりといきていて
とても美味しかった。


だけど、食べながらボロボロ泣く私。
泣きながら大根をあんぐり。
あぁ悲しい。あぁ美味しい。・・・いやいや、どっちなんだ!

多分私の記憶の中で、ふろふき大根はアフリカの紛争ダイヤモンドと
しっかり結びついてしまったに違いない。
ふろふき大根を食べると、血に染まったアフリカの大地を思い出す。
アフリカの大地を見ると、同じ民族が莫大なお金になることで争い、
そして掘り出され密輸されたダイヤモンドを思い出す。
ダイヤモンドを見るとふろふき大根が食べたくなる。
・・・あれ?ヒトの記憶はたまに間違えた繋がり方をしてしまうらしい。