隠れ家にしておきたい場所を見つけた

雨上がりの夕方。

四方が山で囲まれたこの土地。
山を見上げたらどんよりした雲が切れて青空がのぞき始めている。
明日はいい天気かな。
反対側の山をみやったら囲まれた山の中腹から霧がもくもくと湧き出しては
生き物みたいに風に乗ってぐんぐん降りてくる。
ああ、ここも雲が生まれる場所だ。
霧が出てくるのを見て嬉しくなるなんて変な話だが、
霧が多い土地に住んでいた身としてはなんだか懐かしく思う風景。

そんな事を思いながら、ふと美味しいコーヒーが飲みたくなった。
そういえば、国道沿いに看板が出ていて山へ上がる細い道が伸びていた。
あそこに行ってみようかなぁ・・・

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お店は山に通じる細い道沿いに立つ小さな自宅兼の建物。
駐車場の片隅に咲く黄色いミツマタの花。
雨上がりで活発に動き回るシジュウカラ
とってものどかだ。
温かい雰囲気のこぎれいな内装。
中にはひとりできりもりしている女性と、
カウンターで楽しそうに会話を楽しむ常連さんと思しき70代位の男性。

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とってもいい香りの自家焙煎のコーヒー。
夏はテラスに出たら気持ち良さそうだ。
ゆったり感じる時間の流れ。
ここなら本を読みにきてもいいし、
コーヒーもゆったりと落ち着いて楽しめる。
そんな事を思いながらコーヒーをおかわり。
軽食もあるみたい。
次は遅い朝ごはんに来ようか、
それともケーキを食べようか。

隠れ家にしておきたい場所を見つけた。

帰り道、携帯カメラのピント合わせが何度撮ってもうまくいかずにおかしいので、
駐車場の物言わぬミツマタ相手にあれこれ悪戦苦闘していたら、
(だからミツマタの花の写真、ピンボケなのです・・・)
奥さんがテラスに出ていらして、その花、何だかご存知ですか?と。
春の訪れとともに控えめに咲きはじめるこの花、私は結構好きである。
枝が三つに分かれているからミツマタ。紙の原料だとか。
お札の紙の原料はこのミツマタの木の皮だ。
前々職のホテルで建物を出たすぐの場所に咲いていたっけ。
このウンチクを教わったのもそこで働いていた時のこと。
私にとっては、春の訪れを告げる花、というよりも懐かしい思い出の花である。

ひとまず、次に食べたいものよりも、
ミツマタのリベンジにまた行こうっと。

カフェ音愛(ノア)
神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1057-3
TEL 0460-84-9118