事件現場と化した庭で、燻製を作る
待ちに待った今日の日を、燻製記念日としようと思う。
朝からはりきって、燻製器をセッティングしていたら…
風避けのブルーシートを父が庭に張っていた。
まるで事件現場のような様相のぬっこ宅の庭。
騒動の犯人は…ぬっこだろうか?
まぁある意味騒動の張本人ではあるのだが。
それにしても、ちと大騒動過ぎやしないだろうか。
ご近所さんもびっくりである。
さて、「これから数時間よろしくお願いします、
美味しくなりますように!」と
祈りをささげて(何の儀式だ?!)燻蒸スタート。
いい照りが出るようにさくらチップに
「ざらめ」をひと混ぜして火を入れる。
60度~70度で安定したら、あとはひたすら時間をかけて燻す。
そんな中私自身は長丁場で、することもないが
温度管理で席を外す訳にもいかないので
外に椅子を持ち出し、手にはなぜか編み物。
事件現場と化した庭は、ブルーシートが風をうまく防いでくれて
ぽかぽか春の陽気。
さんさんと降り注ぐ太陽の元で、手編みのマフラー作り。
なんとも事件現場の様相とはミスマッチな
のどかな光景だ。
3時間経過の様子。
だいぶ、色づいてきた。
ここでチップが炭化してしまったので
一旦火を下してチップ再セット。
味見したい気持ちをぐっとこらえて…
蓋を閉めて燻蒸作業再開。
じゃーん!燻し上がりはこんな感じだ。
今晩一晩、寝かせて香りが落ち着けば出来上がり。
それにしても、身体中スモークの香り。
うちの地方では、このスモークの香りは「いぶくさい」と言う。
「いぶ」は「燻す(いぶす)」から来ているんだと思うが、
一般的にはこれを何というんだろうか。
「いぶりくさい」・・・かしら。
一晩寝かせる、と燻製器の上に石を載せて
しまい込んだもののやっぱり食べたい!
我慢出来ずに切って味見を一口。
脂じゅわぁっ、そして口から鼻に香りふわぁっと抜ける。
多分今まで食べたベーコンという食べ物とは
まったく別の食べ物だ。
10日がかりで豚バラ肉と向き合っただけある。
実は燻し作業中、前職の支配人から連絡があった。
調子はどう?…そろそろ戻ってきませんか?、と。
えぇっと、今、燻製作っていて・・・なんて脳天気なあさっての方向の答えを返しながら、
まだしばらくぬっこは冬眠中だという内容を伝えた。
このご時世で戻ってきてほしいという話はありがたいけれど・・・いやぁ、どうなんだろう。
まだわからない。(正直、体制が変わらないのであれば元の木阿弥になりそうなのでご遠慮願いたいところ)
でも、ひとつだけ今言える事は・・・
自家製のベーコンは間違いなく美味しい。