昭和枯れススキの季節を迎える前に

すすき野原も雨がふるごとに葉が枯れ、
そして綿毛を飛ばし、そろそろ見ごろも過ぎた頃。
来年の春きれいさっぱり焼き払われるまでは枯れススキ野原である。
最初に両親をここに住むと決めて連れてきた時、
泊まった旅館でさんざんな目に遭ってご機嫌斜めだった父の、
ぼそっと言った心ない一言。

・・・昭和枯れすすきだな。もしくは時代劇の斬り合いのシーン。
ですって。

私もよく知らないけど、昭和枯れススキは
帰る故郷のない天涯にたった二人の兄妹の悲しい話だったか。
(ジェネレーションギャップな話で失礼)
娘の門出にそんな事を言うな!とむっとした記憶が。
でも今日みたいに雨が降る寒い枯れ野原はやっぱりちょっと寒々しく寂しい感じもする。

イメージ 1
箱根の観光案内は
最近ほとんど書いてなかったのだが・・・
私が住む地域一番の見所、すすき野原。
焼け野原からぽつりぽつりと芽を出し、
ワラビ採りに精を出した春。
キジを追いかけ回した芽ぶきの季節から、
青々とたなびく野原にふらふらと分け入り
危うく遭難しかけた夏。

イメージ 2
そしてこうして穂を出し金色に輝く秋。
(そしてこれから訪れる昭和枯れススキの冬・・・)
画像は少し前のいい天気の日に
たくさんの観光客に
もまれながら撮った写真。
この時期になるとこれを見に沢山の人が訪れる。

歩道のない路肩を歩く人
突然すすき野原からひょっこり車道に飛び出してぎょっとされる人
手すりに上って写真を撮ろうと羽目を外す人
どこから切り出してきたんだ!!というぐらいに
ものすごい量のススキをお持ち帰りの人(多分駄目です。)
横断歩道でない場所でみんなで渡れば怖くない、を実践する人

更にはうちの周りの別荘地内の普段は車通りのない道も
明らかに迷子さんの県外ナンバーさんが
1周目、2週目・・・あ、そこ行き止まりだってば、
あ、また戻ってきた・・・(聞いてくれれば道案内するのになぁ)
なにやらいろんな人が毎日たくさん訪れて賑やか。

軽井沢や那須とは紅葉の時季も景色もほんの少し違う。
赤や黄のモミジ、金色のカラマツの木が鮮やかな
先週足を伸ばした山中湖の景色の方が私は見慣れて落ち着く景色だったりする。
何が違うって・・・。
箱根は常緑の杉やさわら、ヒバ、ヒノキの多いこと、多いこと。
この辺りは特に、である。
だから紅葉真っ盛りの時期を迎えている今もなんだかちょっと調子が狂う。

箱根に長く住んでいらっしゃる別荘族の方との世間話で
常緑樹が多い理由を聞いてみたら、
箱根は年中人が来るから、全部枯れ木になったら寂しいからじゃないの?
・・・そういう考え方もあるのか。と納得しかけてしまった。
実際のところはここはずっと昔から人が住み続けた宿場街、
人の手が昔から入り続けた森だからなんだろうか。
(そういえば同じように日光なんかも杉が多いような。)

軽井沢みたいにカラマツでも植えたらよかったのになぁ。
なーんて無責任なことを考えていたりするのだが。

青空が似合うススキ野原だが、今週末はあいにくの天気になりそうだ。
明日はちゃんと休めそうな私の休日。
週末楽しみにしていた予定があったのだが突然先方からキャンセルの連絡をもらい、
クサクサしながら家でのんびり(でも結局仕事してる)
あ、でもこんな風に家でのんびり座ってお茶を飲んだ時間なんて最近なかったかも。
(暇さえあれば釣りに出かけていたし、それ以外は寝てるか会社かだった)

そうね、きっと先延ばしにしてみないフリをしてた仕事、
ちゃんと腰を据えてやれって神様からの思し召し。(さもなくば数日後、血祭り決定・・・)
だから休みだというのに借りた10数冊のマンガ
(いまさらながらワンピースにはまっている私)も会社に置いてきた。

何があっても明日は絶対出社しない日にしよう。
家で仕事してても休みは休み。
そんなおかしな誓いを立てつつ更けていく夜。


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