止まった時間の過ごし方

連休を取っていた。別に用事があったわけではない。
多分新しい環境でくたくたに疲れ果てている頃だろうなぁと思って
適当な日で休みの希望を出してあった。
先月私がふと危惧していた通りくたくたのぼろ雑巾になった私のリフレッシュ休暇。

山を降りるにあたって、気持ちの切り替えをしようと実家に帰る前に、
途中寄り道してアロマトリートメントを受けた。
先週実はいつも行くお店に行ってきたばかりなので本当は贅沢なのだけれど、
思った好きなことをする2日にしたかったから。
完全にオフモードに切り替え。
いつも帰省するときはなんとなくパソコンを持ち帰って、
必ず社用メールはチェックしているのだけれど、今回はそれも見ないことにした。
とにかく仕事から離れようと思った。
自分の中で仕事のことばかり考えてあくせく動き回る時計を止めることにした。

そして私の中での止まった時間の中で
1年以上ぶりに友人と逢い、そして多分2年以上ぶりにカラオケに行き
そして今日は車のメンテナンスをする間、
暖かい春の風に誘われて用もなく春を求めて、だいぶ長いことてくてく散歩。
午後は母と益子焼のギャラリー巡りをして、
これで大好きなうな丼を食べるんだと、とある作家さんの作品の小さめの白いどんぶりを買った。
好きに過ごした2日間。
帰り道の高速。いくつもの長いトンネルを抜け、そして峠道を登り、
私にとっては仕事や生活をする日常の、この非日常のリゾート地に帰ってきた。
このトンネルが現実に引き戻される通路みたいな気分。
止まった時間がこうしてまた動き出した。

多分私はなにも変わってない。
明日のしかるべき時間になれば家を出て仕事に行く。
多分仕事では奔走し、そしてなにがしかの失敗もするだろうし
多少なりとも神経をすり減らすであろうことも変わらない。
だけど、私の中で完全に仕事を忘れたこの2日間は、
失敗続きで自信を失い下を向いて小さくなりかけた私をリセットしてくれたように思う。
きっとまた頑張れる。
なんだかすごく大切な時間を過ごした気がした。