気絶した鳥を見て、鳥のベンジョンソンを思い出した

今日は昼間鼻歌まじりで山の中にあるチェックイン手続きをする建物の掃除。
掃除するスタッフが不足していたとかで急遽掃除だけ応援。
こんもりした山の中、テラスからは川が流れてるのが見えてすごく気持ちのいい場所だ。

そんな中で、テラスを開けようと窓を開けた瞬間、
ゴン、と鈍い音がして小さな毛のかたまりが墜落・・・鳥?!
窓に激突し、落ちた先を見るとソファーの上に小さなグレーの身体を横たえている。
ゴジュウカラだ。

目は閉じかけだけど開いている、息もしている様子。
でも動かない…困った。
何となく両手でその子を抱えて外に連れ出してみる。
片足がピクッと動いて私の指を掴んだ。大丈夫かな…
身体は横たえたままだけどはっきりと開いた目をぱちくり。大丈夫かも…
5分後、手の中で両足で私の指を掴んで起き上がる。 うん。大丈夫!
起き上がって、空を見据えて、踏み切って… 飛んだ!

テラスで手の中のゴジュウカラを必死に励ました昼下がり。
何となく覚醒を見届けられて嬉しい時間。

そういえば子どもの頃、巣から落ちて戻れなくなっていたムクドリを拾った事がある。
家でエサをあげて巣立つまで育てたのだけれど、
私はその子に『ベン・ジョンソン』という名前を付けていた。
やたら足が速く、その当時100メートル走で世界記録を叩き出した黒人選手(後にドーピング問題で権利を剥奪されたけど)の名前をそのまま付けたのだった。
家で、走れ、ベンジョンソン、ベンジョンソン!と野鳥に呼びかけていた私。
手の中で横たわるゴジュウカラを見ながら、鳥のベンジョンソンの事をふと思い出した。
もう20年以上の前の事だから鳥のベンジョンソンはとっくに土に還っただろうけど、
自然に戻ったベンジョンソンは無事にムクドリとして生きられたんだろうか。

掃除も放ったらかして、両手に鳥を抱えてそんな事を考えていた私。
全く関係ないのだが、新入社員にベンジョンソンの事を聞いたら知らなかった。
ジェネレーションギャップ・・・。