自爆で罰ゲーム

フロントでの致命的なミス。
それは精算のミス。お金のことだけに、細心の注意を払わなければいけない。
・・・そんな事は痛いほど分かっている。
分かっているけどやっぱり間違う。

団体のお客様の複雑な会計。
振込みやその場での精算、そして返金、と細かく分かれている。
それらのチェックは前日の遅番だったのだが、なんとそれが間違っていた。
プリントしてゲストの前で確認しはじめたら何かがおかしい。焦る私。
目の前の添乗員も口調は穏やかだが手に持っていたボールペンをクルクル。
・・・ああ急いでるんだ、しかもイラついてる。
どうしよう。。。
プレッシャーに弱い私。案の定間違えた。
返金の金額が違う。更にレジまで合わない。最悪だ。

とりあえず正しい返金の金額を算出。
そしてそのお金を・・・なんとこの土地一番の老舗ホテルで待ち合わせしてお渡しすることに。
添乗員に連絡してそのホテルでのランチの到着時間に合わせてホテルに出向く。
お昼時で混み合うホテルのロビー。
そこのホテルのスタッフは当然スーツだし、周りの方々もカジュアルな格好の方ばかり。
そして私はぽつんと一人例の民族衣装スタイル・・・なにこれ、罰ゲーム??
待ち合わせの時間になってもバスは現れない。
周りからの刺さるような視線にだんだん肩身が狭くなって変な汗が背中を流れる。
待つこと15分。
最初は真ん中の分かりやすい位置に立っていたのだが
だんだん端へ端へと移動して最後はロビーの脇の看板の影に隠れんばかり。

やっと現れたバスに駆け寄り、先ほど手を振ってお見送りしたゲストを
他のホテルでまた出迎えて目を丸くされ、
そして微妙な笑顔で現れた添乗員さんに返金してそそくさと退散。

まるで自爆テロだ。